怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ナムジュン・パイクと電子の亡霊

お昼の弁当が炊き込みご飯で、おかずは大半が野菜類。こういうのもいい。
髪が伸びすぎてうざいし臭いし早くなんとかしたい。
夕方いそいそと早稲田へ。駅を降りてブックオフを視察。2Fはとりたててどうということもない。
早稲田大学へ行く道すがら歩きながらパンで栄養補給する。なにしろ6時15分からなので時間がない。主なターゲットは学生であってサラリーマンではないのだからこちらが合わせるしかないのだ。
近づくとなるほど学生さんの姿がたくさん見える。学生といっても新宿やそこらをふらついている人とたいして変わらず、僕のころとはだいぶ違う。時代なのか、それとも大学のカラーによるのか。どちらもありうる。
大隈講堂の地下にある小講堂で受付を済ませ、中に入ると小講堂は大教室くらいの大きさがあり、しかも椅子も机も立派。母校とはえらい違いである。もしかしたら母校も今はこうなのかもしれないが。そして学生さんが続々と増え、満席でこそないがかなりの盛況になった。大教室などではたいてい1席おきに座るものだから、それができないというのは相当なもの。もしかしたら単位やレポート等の理由から渋々出席した人もいるのかもしれないが、そうでない人もたくさんいるはずと考えると、この「ナムジュン・パイクと電子の亡霊(ゴースト): 阿部修也さんとパイク・アベ・シンセサイザーの夕べ」という公開講座http://hyosho-media.com/news/2013/0509_post-29.phpがどれほど魅力的な試みかと感じられる。
最初に講座らしくガイダンスが行われ、当然猛スピードでの概説になるわけだが、これがまた面白い。途中で齋藤理恵氏が作成した相関図を示していたが、ちょっと見えただけでもドナルド・リチーや飯村隆彦などの名前が確認でき、それだけでもわくわくする代物。そして阿部修也さんの話が、何しろ81歳だから怖いものなしで滅法面白い。黎明期に関わったパイオニアだから当然といえば当然なのだけど、とにかく野蛮である。それが締めくくりにも話していた、「日本人はやれないと言っててもやらせればできる、でも面白くない、しかし外国人はやれると言ったくせにできない、できてもきれいじゃない、だけど面白い」というところに繋がるのだろう。
そしていよいよパイク・アベ・シンセサイザー。アナログの微調整で色調が美しく変化してゆく様子は一種夕焼けのようだ。そこに寒川晶子さんがピアノで加わり、瀧健太郎さんのパフォーマンスをパイク・アベ・シンセサイザーで流してゆくと、もうこれは一つの作品。ナムジュン・パイクというブランドはないけれど、それを凌駕するものになっていたと思う。言葉を失う美しさで、これが体験できることはそうそうないことだろう。機会を逃さなかった自分、偉い。そして公開にしてくれた早稲田大学も偉い。寒川さんの演奏は素晴らしかったので、また何か機会があったら聞いてみたい。
講堂を出て小雨の中ブックオフへ行き金田康平「young apple」Harp on Mouse Sextet「銀盤四季調」各500円。地味系の名盤がぽろぽろと発見されたのはやはり土地柄だろうか。ただ大学の近くの割にはイマイチ感はぬぐえないブックオフであった。
雨が上がっていたので歩いて地下鉄の駅へ行き帰宅。
夜食にインスタントリゾットを食す。所詮インスタントながら、まあまあの味。
妹が子供の写真を送ってきた。健康ならそれでよい。