怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

保坂さんのお話と曽我部さんのうたと

お昼は先日買っていたタンメンを食べる。野菜を炒める手間はかかるが悪くない。ただ、麺が少ないので2人分では間違いなく物足りないのが困りもの。
急いで国立近代美術館へ向かい、今日は保坂健二朗さんによる講演「ベーコンについて 上級 最新の研究動向を踏まえて」。開場時間前に着いたので席は大丈夫。並んでいるのはお年寄りが多い。
保坂さんのトークはいきなりツイッターの投稿紹介からだったがポイントはベーコンの特徴たる暴力性というのは何かということ。つまり保坂さんはベーコンが暴力的である(人物像を神経組織に対してより暴力的に痛烈にもたらそうという試み)ことは当然としつつも、その暴力性というのが作品からの第一印象から受けるもの、例えば血や人体のねじれなどではなく、その背景となったナチスへの関心などから生じた細かな表現だと主張する。僕などは、いやそうはいってもそうした研究を知らなければベーコンを理解できないのかという思いもあったりはするし、実際鮮烈な描写のある作品の方が「らしい」という思いを捨て切れず、Kさんの言い分に賛同しなくもないのだが、ただ保坂さんの説明にもさすがに現役バリバリの学芸員だなという説得力がある。質疑応答の時間がとれなかったのは残念だし一部飛ばしたスライドもあったのも残念だったが、なかなか充実した1時間半でした。
新宿に戻りステーションスクエアで辛ラーメンの試食をしてお土産をもらった。韓国産なんだからキャンペーンのスタッフ衣装もTシャツじゃなくてKPOP的にすればいいのに。JRで西川口へ。赤羽で乗り換えたのだが意外にも大きな賑わった駅でびっくり。そして川を渡り埼玉県に入ると車窓の風景は一変し、御堂筋線で新大阪に行くような感じというか、実に大阪的。いいなあ、こういうの。西川口は駅は小さいし降りてゆく人も野球帽をかぶったおっさんが主流で、実に落ち着く。駅前も大きなビルだけでなく低層の店屋さんが多くあり、台湾の駅前のようでもある。ブックオフをのぞいたが大きいくせに収穫はなく、もう一軒アオイ書店は品揃えが何だかあれでした。残念。
小腹がすいたのでセブンイレブンでおにぎりを買う。このあたりはお店の雰囲気ものんびりしてていい。
公園でおにぎりを食べて西川口HEARTSへ。住宅街の一軒家のようなライブハウスで、とても東京近郊とは思えない。開場直前に着いた上にチケットを見ると整理番号が1番だったのでせっかくだから最前列をゲット。たまにはこういうのもいいか。
最初がチャラン・ポ・ランタン。今日はアコーディオンとボーカルとドラムの3人編成。ドラムがうまい。曲は嫌いじゃないがそんなにぐっと掴まれるでもなくという感じだったかな。なんか大人しい。もしかしたら少し後ろの方で聞いた方がよかったかも。
次が知久寿焼。出身地だそうで、まあなんかわかる。チンピラの街とか露悪的に言ってたけど、いいよね、そういうの。成金の街よりいい。ライブは知久さん節で良くも悪くも期待通り。嫌いじゃないけどメリハリがない(あったら変だけど)のがちょっと。座って遠くで歌ってるのを聞くでもなく聞いてるくらいがいいかもしれない。
最後曽我部恵一。今日はアコギ弾き語りで、キラキラなどもやってはいたが基本的にしっとりとした曲が中心で、やはり曽我部さんの声は素敵。砂漠を弾き語りで聞いたのはたぶん初めてで、それが抜群によかった。素晴らしかった。延々と聞いていたかった。満員電車も、このキャリアにしてこの瑞々しい曲を今も作ってくれる曽我部さんが好きだ。
終わってもちろん曽我部さんのライブ盤を買って、次のライブ盤に砂漠を入れてくださいとお願いした。厚かましくしゃべりまくってごめんなさい。
楽しい感じで帰りの電車に乗り、浜崎あゆみコンサート帰りのおばさんたちに囲まれる。おばさんといっても僕より年下だったりするんだけど、もうファン層はこんなに年齢上がっちゃったのねと思ったり。
遠いと思った西川口だけど、意外と早く帰れてよかった。全然守備範囲。