怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

東大に入り、東大を出る

朝からワンダーサイト本郷に向かい、ワンダーシード2013を見る。若手アーティストの展示で購入もできるというので会期終了間際にのぞいてみたのだが、ほとんどの作品は売約済み。100点のうち残っているのは十数点ではないだろうか。僕が見てよいと思うものはもちろん全部売れていた。まだ無名のアーティストが2〜3万円とはいえこれほど買い手の付くものなのだということは全く予想もしていなかった。そうなるとあまり鑑賞意欲も湧いてこなくなるのだが、僕が一番気に入ったのは谷正也。次点は加藤由紀、美浪文、金姫眞、光藤雄介かな。来年来れるなら早めに来よう。ワンダーシードで唯一僕が気に入らないのは石原慎太郎の偉そうなコメントですね。
歩いて北へ。東大も間近というところで古本屋を見つけ入ってみるとまあ昔ながらの古本屋。実に雑多で気力も失せてきたのだが念のために年代物の岩波文庫の山を浚ってみると麓から石川淳訳「法王庁の抜穴」が出てきた。表紙が破れていたり、状態はすこぶる悪いが十分読めるし200円。6/6に見つけたものは状態こそよかったがいくらだったかな、1000円はしたのでは。このくらいで十分でしょう。会計すると親父さんが心なしかうれしそうだったのが僕もうれしかった。
東大赤門前は観光スポットらしく記念写真を撮る人が多い。来週入試のようなので下見に来ている人もいるのかもしれない。僕はぶらぶらと校舎を眺めて歩く。校舎は低層で並んでおり、古くからの意匠を生かしているものがほとんど。学び舎としての主張が覗える、格調の高いキャンパスだ。安田講堂は建て替えられたのかずいぶん新しく見えて少々がっかりだが、まあいたしかたない。その下にある中央食堂へ行き、名物赤門ラーメンを食べる。390円。僕の母校とそう変わらないようでもあるが、メニューは豊富だし味も良いようだ。なにより広いし天井も高いのであのうらぶれた雰囲気はない。なかなか面白かった。
逆側から東大を出て谷中方面へ。古い商店などがちらほらあり、散策にもってこいの雰囲気がある。
SCAI THE BATHHOUSEは銭湯を改装したものらしく、まずその佇まいがよい。今日はハルーン・ミルザ展。本展に関してはあまりよいものではなかった。幾つかのスピーカーから流れる周期的な電子音は出来のいいものとはいえないし、数ヶ所で光るライトも陳腐。唯一、白糸の滝の映像が明滅し黒いスクリーンに残像が印象付けられるところがよかった。受付に置いてある過去作品の画像の方がよほど魅力的に見えた。
谷中霊園を通り日暮里駅へ。霊園の雰囲気はなかなかよい。今日は目的地より道中に満足感を覚えているようだ。
日暮里から新宿、そして帰宅。駅でシュークリームを買い3人で食す。
妻は姪を送ってゆき、僕は片づけなど。
夜は簡単にチジミ。