怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

恵比寿映像祭など

朝、「台風クラブ」を見る。セリフの間、呼吸の絶妙さが素晴らしく、その積み重ねでクライマックスに向けて緊張が高まってゆく。ストーリーとしてはとらえどころのない話なのに、映画として見ると説明しようのない感情がもたらされる。かつて見て傑作と確信したものは、再見して確信が揺らぐことが怖ろしくなりなかなか見れないのだが、見てよかった。間違いなく傑作。
再見して気がつくのは、30年ほど前の映画だから風景や小道具が相当古いこと。あの頃の自分はこうした時代に生きていたのだという感慨があった。
初見では、三上が死んだのかそれとも泥に刺さっただけなのか確信を持てなかったが、おそらくこれは死んでいる。水たまりの深さが足りない。あれは三上が見せたようとした死がかくもみっともない代物だったことを示すシーンなのだ、そして輝きながら生きている理恵たちとの対比だ。
お昼はニシンそば。
午後から渋谷ヒカリエへ。「ハーブ&ドロシー」の無料上映を見る。ギャラリーを通さない直取引とか鑑賞という概念が存在しない環境とかお世辞にも良好ではない保存環境などが気になって仕方ない。選択眼は素晴らしいのだろうが、彼らを蒐集に駆り立てたのはアートへの愛情というより偏執的な収集癖だったのではないだろうか。
ヒカリエとNANZUKAとアイショウでは山路紘子の作品にいいものが1点、既売。
散歩しつつ恵比寿へ。
waitingroomの毛利悠子「おろち」展。雰囲気たっぷりに並べられた物体が絶妙のタイミングで動き音を発する。なにかの生物に似ているわけではないが、しかしこれはひとつの生命体だろう。息をする音すら憚られる空間だった。
gift_labでは「quo_port -繊維と音の絡まる空間-」。TRAUMARISで池田光宏「Hide and Seek —私たちは木陰に隠れた」展。
Nadiff apartで岡本太郎のガチャガチャをやってみたが最低のが出て来てがっくり。ろくなの出ないんだよこれ。
小腹がすいたので笛吹に立ち寄りタコ焼きを食べる。話し好きのご主人によると立ち退きで今月で閉店、移転先は隣の自転車屋さんと一緒に探しているとのこと。商売をやめる気はなさそうだが、移転するとなれば1ヶ月は休むだろうということらしい。しかも今のところ恵比寿界隈で移転できるかどうかもわからないという話。となると、もしかしてこれが最初で最後になるかもしれないなあ。くるくると回しながら作るタコ焼きは中がとろりとしていて、いろは商店だったか、あそこのタコ焼きの味に近い。おいしかった。わさび醤油が人気だそうだが、食べられるかなあ。
東京都写真美術館で恵比寿映像祭、今夜は「ソングス・フォー・レント」。正直なところ、解説が欲しいですね、これ。何もなしではなかなか理解できない。面白かったのはルーサー・プライス(という仮名)「インクブロット#44−アクア・ウーマン」「アフター・ザ・ガーデンーダスティ・リケット」など。やはり比較的新しいものの方がよく感じる。
終って急いで新宿タワーレコードへ。着いたらよしむらひらくインストアは中盤くらいで、僕が聞けたのは3曲のみ。まあでも通り道だし、急がなければ1曲だったろうし、これでよかった。よしむらさんには明日も行きますと言ったが、こういうときに全然うまく話せないのはなんとかならないかともう何十回も思ってるけどどうにもならないですね。
帰り、ライフで餃子などを買い夕食に。