怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

会田誠と[+]

朝から隣の駅まで買い出しに。おかげでいなばのタイカレーやロースハムを安く仕入れてごきげんで帰還。
買って聞く間のなかった中川敬「銀河のほとり、路上の花」を。モノノケ路線に近くて僕は嫌いじゃないのだが髪を赤く染めていたあの人はどこへ行ったのだろうという思いもありますよ。
遅めのお昼はベトナムで買ってきた米を鍋で炊いてタイカレー。炊くのは思ったより簡単というかアジアらしい荒っぽさのある雰囲気がいいんだけど、なにしろ初回なので水気が多くなってしまった。次はもっといい感じに炊きたいなあ。
昨日に続いて六本木へ向かい、今日は森美術館会田誠「天才でごめんなさい」展。最初の作品はそれとわからずに通り過ぎた人も多いと思うがエントランスに飾られる大提灯で、昨年国立台湾美術館で見たもの。そして展示室では切腹女子高生が。これはキラキラバージョン。いったいバージョンはいくつあるのだろう。そこから風俗の街鶯谷に由来する鶯谷図。会田誠日本画出身でもないのに日本画の伝統や過去の日本を踏まえた作品、日本人のアイデンティティにこだわった作品が多く、かといってゴリゴリというわけでもないちょっと変わった立ち位置があって、そこがこの人の魅力ではないかと思う。それは会田誠が特異なのではなく、実は平均的な日本人の感性にとても近く、それを表現するフィルターが特異なのではないだろうか。と真面目に考えたりしてしまうが、作品はかなり面白いものが多くて小声で笑ってしまうものもたくさんある。「わだばバルチュスになる」とか。「ミュータント花子」の映像版も相当に笑える代物なのだが、他のお客さんで笑っている人はあまりいなくて神妙に観賞している人がほとんど。エロシーンで憤慨したかのように席を立つ人すらいる。そうじゃないと思うんだけどなあ。まあ感じ方はそれぞれだけど。ちなみにこの映像版、主役が会田夫妻というだけでなく豪華スタッフが勢ぞろいなのでエンドロールは必見だと思います。個人的には陛下役の山口晃さんがなんというかもう。右翼に刺されないでくださいね。
再見できたものや新作やいろいろと見どころはあるけれど、巨大フジ隊員VSキングギドラを見れたのはよかったかな。図録はまだ出来ていないそうなので、もう一度見に来るかも。
最後は山城知佳子「肉屋の女」。これも美しい映像で語られるゾワゾワとしたイメージがよかったです。
時間は3時間弱あったので十分かと思っていたが物足らないまま7時前に。急いで音楽実験室新世界へ向かおうと思うが毎度ながらどこからどう出てよいのかわからない。もう少しわかりやすくしてくれないかなあ。外に出たら反対側だし。
と文句を言いながら会場に着いたら7時ちょうど。中に入るとはぼ満席のような有様だったがまあなんとか。本来はライブハウスのようで、仮設のスクリーンに月世界旅行社の惨事が脳裏をよぎるがもちろんそんなことはなくきちんと映るスクリーンでした。機材不調は発生したりしてたけど、いろいろデリケートだからある程度しょうがないんですよね、これ。
最初は田巻真寛さんの「Africa DUB」モビールのようなアクリル板を使った偶然性による作品で、映画というよりインスタレーションの色が強い。ただアフリカンビートにちょっと違和感。田巻さんの作品の後牧野貴さんの「in your star」「the intimate stars」。牧野さんの作品はなんだかんだと相当数を見ているので初見のインパクトは少し薄れるのだけど、今日は座った位置がよかったのか上映環境が良かったのか、なぜかよく響く。浮かんで弾けるノイズとぼんやりしたイメージの頃合いが丁度よく、こういうのはその日の気分にもよるのかもしれない。牧野さんは機材不良を悔しがっていてそれはアーティストとしては当然の感情だと思うけれど、見る側としてはそれ以上の満足感を得ていたりもする。
最後は葉山嶺さんという、初めて見るアーティスト。実はこれがよかった。不思議なイメージとイメージの重なり、連続が蠱惑的で見事。音に対する感性も僕の嗜好に近い。牧野さんからの影響やアドバイスもあるだろうが、生来のセンスあっての作品だと思う。「INITIAL VAPOR」は初上映とのことだったが、今後の作品や過去の作品の再上映を楽しみにしたい。
終わって大人気の牧野さん、葉山さんに簡単に感想を伝えた。まあ自分の感想をうまく伝えるのって難しいというか感想が簡単に言葉になるような作品はそんなにいい作品ではないと思っているので、つまりどういうことかというとうまく話せてないなということです。それからthe intimate starsのサントラというのかな、8cmCDを購入。
寒いけれどもどこか楽しい気持ちで帰路に。牧野さんオランダでもがんばってください。新作楽しみです。
京王ストアで弁当が半額だったので買って帰ったけどとても不味かった。