怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

壊れかけのテープレコーダーズ、ワンマン、Motion、そして旅

ずっと寝ていたが腰はあまり痛くならないし目が冴えたりもしない。つまりあまり回復していない。
だらだらと出社。
案外仕事はできた。会社の人を見ると、どうやら熱と喉に症状の出る風邪が流行っているようだ。
夕方新宿へ。バーガーキングで初めてアボガドワッパーを食べる。悪くないけどアボガドが必須かと言われるとそうでもない。ただ、ハンバーガーにアボガドってほかには見ないので、こういう独自性は割と好きだ。バーガーキングは空いていてソファ席でゆったりできるのもよい。特にこんな体調なら。
頃合いを見てMotionへ移動。ベアーズやハードレインより少し大きいくらいかな。汚れっぷりなどは僕の好きな感じです。実はここでちょっと色々自分を嫌になることがあったわけですが、なんでも書くはずのこの日記にもちょっと書きたくないので書きません。間違いなく言えることは、俺最低ってことです。まああの男がそれ以下だったりしますけど、それよりも自分の最低さのほうが辛い。
で、壊れかけのテープレコーダーズ、ワンマンです。序盤からあの曲この曲連発で大丈夫かと思ったけど、全然大丈夫なところがバンドの厚さを感じさせる内容で、序盤はてるてる坊主が熱かった。新曲では本編最後の曲が、アンコールでは蝶番が最高でした。今日は44Oさんはマイドラムだそうで、そのせいかドラミングが軽快で重厚だったのが印象的。コモリさんの気持ち入りすぎなギターもすごくよかった。ああいうのを見ると、ライブはテクニックも大事だけれどそこにかかっている思いという要素が強いとつくづく感じる。
僕はずっとステージ左よりで聞いていて、左耳の調子が悪くなって終盤右に移動したけど、その位置がしのさんが正面に見える位置。演っている曲は「生まれる」。ベースを楽しそうに弾くしのさんの顔を見ると、幸せなバンドとはこういうことだよなあ。しのさんはずっとコモリさんを見ていた。
ユサさんは喉の調子が悪そうで、もしかしたら風邪かもしれないけどいつものポーカーフェイスでした。いつまでも続くバンドは一握りで、壊れかけもいつか活動をやめる日が来るのかもしれないが、でも決してメンバーチェンジはしてほしくないな、と思うワンマンだった。
コモリさんがMCでいろいろ話をしていて、帰ってからもいろいろ考えた。
結局そこでそれがあったという証は、人の記憶の中にしかない。写真も映像も録音もこうした日記も、証ではない。僕が聞いた音、僕が見たコモリさん、それをいくら写真に撮ろうが日記に書こうが、証にはならない。例えば僕がその日の光景をぼんやりとしか思いうかべることができなかったとしても、そのぼんやりとした光景こそがこの日の証だ。コモリさんが見たこの日のワンマンも、コモリさんの記憶の中だけにある。僕が死にお客さんもメンバーもスタッフも全員死んでしまえば、2012年10月30日に新宿にあるMotionというライブハウスで行われた素晴らしいバンドの素晴らしいライブは、もう無くなる。たとえそれがどこかに記録として残されても、それは記録でしかなくて、本当の証ではない。
それがわかっているから、僕らは証を求めて生きるし、それが新しい旅だ。