怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

いざ鎌倉

朝から電車で鎌倉へ。今ひとつどの線に乗ればいいのかわからなかったが、着けばいいのさ。ただ思ったよりは遅くなってしまった。逗子駅を出て、10時過ぎているから予定変更でパンを買いに行こうと歩いていたら靴の裏がめくれた。ボンドをもってくれば良かったと思ったが今更どうしようもない。
ブランジェリーE.S.というパン屋。名前が気に入らないし、値段も高い。小さなクロワッサンが160円てなめてるのか。ほかにドライトマトとチーズの300円とチーズパン160円。620円て、これは美味くなかったら万死に値するな。と思いつつ、100円ショップを探して瞬間接着剤を購入。おかげでバスを2本乗り遅れた。
バスで神奈川県立近代美術館葉山へ。駅前からして割と田舎の漁村がなぜかそこそこ栄えている風情があったが、海岸の方まで出ると尚更で、どうも妙な雰囲気だ。まあいいけど。
美術館は海沿いで、海側に廻ってみると東屋があったのでそこでしばらく海を見る。太平洋だからなのか風の具合なのか、間遠な波音が心地よい。ずいぶんのんびりしたが、重い腰を上げて美術館へ。「ビーズインアフリカ」展は入るなり広い展示室にぽつりと展示されていて最後までこの調子かと焦ったが、結局点数は多くはないがなんとか体裁の整う程度はあった。ただ、ビーズにこだわらずに参考扱いでもっといろいろ出してほしかったが。アフリカ美術が好きな僕だからはるばる見に来てはいるが、一般的にはなかなかしんどい展示かなというのが正直な感想。独特の色使い、模様使いはいいけれど、工芸品としてみれば稚拙さは否めないし。面白いのは作り手が完全に町の職人さんや素人さんということ。それが博物館ならともかく、美術品として展示されるというのは一種のアール・ブリュットだなあと思わざるをえない。
見終わって裏に回ると弁当を食べてるOLさんだかがいて、あれはここの職員なのだろうか。食べ終わると場所を空けてくれてよかったです。僕はパンを食べて波音に揺られて。しばらくしておばさんが来たので僕も譲りました。
ショップを見て、アサラトというマラカスのような楽器を840円で購入。図録もかなりよくできたものでしたが、今日はこっちで。最後にもう一度東屋に行きたかったけど、二人組のおばさんがずっとしゃべりっぱなしでうんざりした。展示室でも4人組くらいのおばさんが大声でしゃべってて殺意を抑えるのに苦労した。せっかく平日で静かなのに、これじゃ台無しだわ。
バスで駅へ。この辺りは別荘なのか家なのか、豪壮な屋敷が目立つ。表札がないのは別荘かな。まあどうでもいいか。
逗子から電車で北鎌倉へ。北鎌倉の駅はほぼ野ざらしの細いホームと小さな駅舎で、帝塚山の駅に似た雰囲気がある。上品だ。
そして澁澤龍彦の旧邸を探す。正直なところ、ほぼ目星はついていて現地に行けば迷わないと思っていたのだが、豈図らんやそれらしい家がない。うーん。周辺も一回りしてみたのだが、やはりない。うーん。折角来たのだが、これでは仕方ない。もう少し調べておくべきだったかなあ。残念だ。
もう一つの目的、墓所へ。これは周知の場所なので迷うこともない。行くとやはり花や供え物があり、読者がしばしば訪れていることがわかる。僕は何の用意もしてなかったのでただただ頭を垂れるだけだが、しかし木々がざわざわと揺れる下で墓石の前で心を空っぽにしている時間は、予想とは全く違う不思議な体験だった。澁澤氏の墓石は球型でいかにも澁澤氏らしいのだが、よくみるとこの寺は同様の墓石が多くある。なにか由来でもあるのだろうか。関係ないが、欧米人の女性が二人で観光していたので、布袋さんの腹をなでると元気が出ると教えてあげた。ヘタクソな英語で。まあでもしゃべっただけマシだわ。
正直疲れきって電車で帰宅。渋谷なんぞに寄る気力はなく、帰宅して夕食は北京家庭菜で豚肉のオイスターソース炒め。おいしいんだがご飯がまずい。そしてなぜか杏仁豆腐を食べ忘れた。阿呆か。
ローソン100でデザートを買い、一日が終わった。お金はかなりかかったが有意義な一日だった。行ってよかった。

あ、そうそう、E.S.のパンはおいしいですが、普通においしい程度。特別なものじゃない。よほど周りのレベルが低いのだろうか。あの値段はちょっとないな。総額620円のところ500円くらいが上限でしょ。