怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

デルヴォー、小説、夢

朝から府中へ。東府中で降りると微妙にきれいな街並みに点在する昭和の建物。自衛隊の基地もあったりして、なんだか面白いところだ。
公園を抜けて府中市美術館へ。
「夢に、デルヴォー」展は実はこれぞデルヴォーといった作品は意外に少なく、デルヴォーの世界にどっぷり浸るつもりで行った僕は戸惑ったのだが、そう悪い展示内容でもなかった。23歳ごろの本格的に絵を学ぶ前の肖像画デルヴォーらしさは全くないものの素晴らしい小品だったし、その後の風景画も風景画として普通に一級品。他の画家の影響を受けたりしながら次第にデルヴォーとなっていく過程も興味深い。また、最晩年に描いた最後の油彩画とその後の水彩画もデルヴォーが自分の絵画世界に溶けてゆくような気持ちにさせられる逸品。デルヴォーの遺品も出ていたし、これはこれで悪くない。
ただ文句なしというわけでもなく、まず習作が出ていながら完成作が出ていないのは歯がゆいし、やはりデルヴォーらしい絵ももっと欲しい。これはそうした絵が各地の美術館やコレクターに渡っていてデルヴォー美術館にはあまりないのかもしれない。あと、導線が悪く行ったり来たりになる(僕はもともとそうだが)。まあ不満はあるし前回福岡県美術館で見たほうがずっと印象的ではあったが、悪くない展覧会だった。ところでダニエルのデッサンはダニエルが僕の好みにドンピシャだから言うのではないが、前回も同じものが出ていただろうか。デッサンだから似たものは多いだろうが、同じようにじっくり見た記憶がある。
常設は牛島憲之の展示。独特の夢想的なオブジェや風景を描いていて、意外といい。
帰ろうとしたら雨で少し濡れたが、雨の公園も悪くないものだ。傘を持ってなくて良かった。
帰宅してとろろ蕎麦。
午後、「夜は短し歩けよ乙女」を読む。この種の心情は大好きなのだが、関学に入ってソープでバイトする乙女の話を読んだ後では落差が大きくてなんというか。まあどちらも読むのが正解で、偏ってはいけないのだと思う。
本を返しに行き帰宅して夕食。
ローソン100に55円の杏仁豆腐が1つしかなかったが、1つならなくてもよかったかなあ、無駄遣いかなあ、と反省。