怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

初恋の嵐

仕事で三田へ。大阪に比べて空気がよい。こういうところも好きなのだが、ライブハウスや美術館にはなかなか行かなくなるだろうな。
急いで仕事を片付けて、心斎橋のバーガーキングへ。3Fでは派手目のお姉さんが英語のレッスン中。密度の薄いレッスンだが、それでもやれば少しはうまくなるのだろう。隣にはベースらしいものを抱えたお母さんと娘がいたりするのが面白い。
定刻に着いたら杉瀬陽子がスタートしていた。うまい女性ボーカル弾き語りは苦手なのだが、最後にやった「瞬きする間にさようなら」という曲がよかった。先日広島に行ったばかりということもあるが、歌詞が素晴らしい。苦手なので愛聴することはないだろうが、この曲は素晴らしかった。涙があふれるとは思わなかった。
続いてメレンゲ。少女プラシーボとギンガを買い、それ以来遠ざかっていたバンドで、ライブも行ったことがない。女性ファン多そうだし。そんなわけでどうなっているかドキドキしたが、昔のままですね。声も、曲も。僕の年齢で聴くのはちょっと気恥ずかしくもあるが、瑞々しくてやはりいい。ずっと頑張って活動して、BIGCATでライブできる人気があるんだ。よかった。
次がセカイイチ。名前しか知らなかった。僕の好みからは少し外れるというか、素直な音で引っかかるものをあまり感じられなかった。
そしていよいよ、初恋の嵐。鈴木さんがセッティングで叩く音からもうこみ上げてくる。2002年の2月、神戸スタークラブ。共演はザ・ローリングチョップ、騒音寺、スクービードゥ。西山君の最後のライブだった。2週間くらいに後、当時はオフィシャルHPはなく、ファンサイトだったかファン掲示板だったか、そこに西山君が亡くなった事、神戸の教会で葬儀が行われることが書かれていた。いたずらかと思ったがそれにしては真に迫っていて、真偽を問う書き込みもあり、しかしやがて本当だとわかった。ユニバーサルのHPだったか。妻に伝えにくくて苦しかった。そこで制作中止とされていたアルバムが完成、その前にシングルか。インストアイベントもあり、僕はつらかったので妻に参加してもらったっけ。司会はドイコマキさんだったかなあ。参加してないからよく憶えてないが多分そうだろう。あれから9年が経った。まさかのライブ。
ゲストボーカルの4人は、それぞれに感じるものがあった。一番手のセカイイチ岩崎君は声質やスタイルが西山君に一番近く、もし今後ゲストボーカルが一人だけでやることがあれば、是非彼にお願いしたい。二番手メレンゲクボ君は、儚い感じが曲に合う。三番手堂島孝平は西山君と交流が深く、初恋の嵐に加入しようと思っていたなんて話していて、その思い入れが心に迫った。最後の曽我部恵一はなにしろ抜群の歌唱力。うますぎてゲストボーカルというよりカバーしている風に聞こえるほど。
あっという間だった。最後に全員で、と期待したが無理だった。でも本当に素晴らしい企画だった。ドイコマキさんに感謝したい。出演の皆さんも。サポートの皆さんの力もあって、いい演奏だった。
終わった後、でもやっぱり西山君に歌ってほしかったなと思った。素晴らしいゲストボーカルだったけど、西山君が一番素晴らしいとつくづく思った。ほんとにね。