怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

金沢21世紀美術館

これがないって

いつもよりちょい早起きして7時前に出発。順調に新快速へ。意外と人が多い。湖西線から近江今津まで順調だったが、ここで12両から4両になるので移動したら満席という。12両の段階でそこそこ混んでたし。実は乗る直前のアナウンスで気付いたけど、早めに知っていたら先頭4両に並んだのに。そういえばそういう流れだったなと思いだしたが、そうしょっちゅうは乗らないからな。
近江今津はおいしい鰻屋があるのだがと思いつつ、立ちながら永原(ここが今までの北限)を過ぎ、一路敦賀へ。列車遅れがあり乗り継ぎは大丈夫かと冷や冷やしたが、待ってくれるらしいのでよかった。ちなみに乗り継ぎは11分遅れで発車、到着は定刻やや遅れ程度。特急ばかりで普通電車はまばらなので、それなりに取り戻せるのだろう。途中の沿線風景がわりといい感じで、こういうとこ好きだなあ。沿線風景なんて変わり映えしないように見えるけれども、やはりそれなりの違いはある。駅名なんかも独特で。敦賀は意外に小さな駅で、そこで乗り換え。もう大混雑。見ると鉄道オタクが多いようで、時刻表などを持ってぶつぶつ言っている。用がないのに乗ってる連中に席を占領されて迷惑だが、まあ僕より彼らのほうがJRにとっていいお客さんなのは間違いない。僕は青春18きっぷの金券ショップへのリセールが3枚と2枚で900円しか違わないから決めたようなものだし。
幸い途中で席が空き、車窓を楽しみながら金沢へ。福井の駅前がずいぶんさびれてるとか思ったことはいろいろあるが、ちょっと断片的。そういう断片の集積がローカル列車の旅でもある。満席の車内では食べにくいが仕方なく弁当を食べる。しょうがない。こんな混んでると思わなかった。帰りも時間がよほど余らない限り弁当なのだが大丈夫だろうか。
金沢駅は、僕が20年前に寝て駅員さんに起こされた柱の根元のベンチはもうなくなったようだ。でも柱はまだ残っていた。多分同じものだろう。どこの柱だったかは忘れてしまった。
駅前はやけに立派な屋根がついてるし、バス乗り場もすっきりしていてモダン。案内のお姉さんは頑張ってるし、乗り込んだまちバスはジミヘンのFoxy Ladyが流れてるし。降りるときにちらっとみたら、大学との連携でなんかやってるっぽい。帰りのバスは普通だったから、当たりのバスだったんだろう。数曲聴けてよかった。
金沢21世紀美術館は、広場のようなところに置いてある感じ。チケット売場は長蛇の列、レストランも順番待ち。当初案ではここで昼食も考えていたのでほんと弁当にしてよかった。チケットはぴあで購入済みだし、よかったよかった。
「イェッペ・ハイン 360」は、予備知識ゼロだったが、かなり面白かった。良かったのは鏡を使った作品「回転する迷宮」「籠と鏡」。なんかめまいがしそう、気分悪くなる感じというと悪口になるが、それが良かった。なにしろ体験型で、傍から見てると全然面白そうに見えないのがいざ中に入ってみると楽しいというのがね。長蛇の列だった「見えない迷宮」はそれほどでもなく。
「Inner Voices」は、イー・イランの作品が素晴らしい。2010年作の布にインクジェットした作品が、強いメッセージを送りつつ幻想的で、特に私掠船が最高だった。Sulu Storiesのシリーズも幻惑されてとてもいい。境界線とか、Mapとか、絵でもイラストでも写真でもない、この手法ならではの世界を表現してくれてると思う。
塩田千春さんは、いかにも塩田さんらしい作品。良い作品だが、見るものを圧倒するボリューム感は欠けていたと思う。赤い液体がところどころ色素が滞留して黒くなっているのがよかった。あと、久しぶりかな、ご本人がやってる映像作品も見入ってしまう。背後からのカットはいるのかな、同じ姿勢で攻めても良かった気がする。
Jemima Wymanは、プリミティブな攻撃性が心の中を襲ってくる感じが印象的。よかったと言うのは語弊がある気がするが、よい作品なのは間違いない。
失敗したのが呉夏枝。ヘッドホンを作品のそばで聴かないといけなかったのですね。そうしてる人を見なかったから、多分皆分かってなかったと思う。もったいなかった。あと、キム・ソラは資料を見ると台に食材が載っているのだが今日は全くのからっぽで、これでは何のことやら。何か都合があったのかもしれないが、ちょっとひどかった。藤原由葵は僕には何も伝わってこない。映像作品は、そうじっくり見てないけれども雰囲気はよかった。よかったんだけど、じっくり見れる心の余裕はなかった。実際そういう人いなかったと思う。シルパ・グプタは9/10からとか。ポスターに載ってる作品がメインじゃないかと思うんだが、それが9/10からって。
「ピーター・マクドナルド: 訪問者」はちょっと楽しい雰囲気で、9/17からというディスコが面白そう。
常設は、なんといってもレアンドロ・エルリッヒ「スイミング・プール」ですか。面白い。下から見るより実は上から見たほうが面白い。ジェームズ・タレル「ブルー・プラネット・スカイ」は、作品と言うよりそこで本を読んだりしてのんびり過ごしている雰囲気がいい。夕方や夜の時間帯でも見ることができたらもっといいだろうな。アニッシュ・カプーア「L'Origine du monde(世界の起源)」は、どう見ても穴が空いてるかどうかわからない、不思議な作品。吸い込まれそうな妙な魅力がある。カプーアはこのくらいのサイズでないと面白くないと堂島ビエンナーレに言いたい。
1時ごろ美術館着、5時半までの4時間半あるから全然大丈夫、途中カフェでお茶でも飲もうと呑気なことを考えていたが、そんな余裕はなかった。みっちり楽しんだ。ショップは人多すぎなのと、これというものがなく(いつもそうだ)何も買わず。図録は、イェッペ・ハインは買ってもしょうがないしInner Voicesは実物見た後では見劣りするし(いつもそうだ。ていうか、これサイズ小さすぎ)。まあいいか。
古本屋や中古レコード屋の場所も調べておいたが、もう余裕もなくバスへ。ていうか、18:24の電車に遅れると今日中に帰れないんだよね。これは厳しい。
金沢駅のおみやげ館にある菜香樓というところで友好弁当680円。6時回っていたせいか2割引でお得でした。これが結構うまかった。温めたらもっとおいしいだろうな。少し味付けが濃いが、しかし弁当とは思えないちゃんとした材料をきちんと調理した中華でした。おみやげは見て回ったがピンとこないので、なしで。どうしても必要なわけじゃないし。
列車に乗り込み、敦賀と長浜で乗り換え、大阪まで。帰りは日が暮れて風景が見えないので面白味がないが、それでもまあ退屈するほどでもなく。近くの席のカップルがいちゃついていて、それはいいけどパンツ丸見えなのはどうなのよっていう。女の子を窓側に座らせればいいのに。とりあえず行きほど混んでなかったのは助かった。
途中少し寝てるが眠くて仕方ない。0時過ぎに帰宅し、寝た。