最後の出会い

昼頃千日前に行く。新戎橋が完成した話は聞いていたが、渡ってみると妙な違和感がある。観光用なのか中央が円形広場のようになっていて橋という感覚が薄い。工事中の状態と比べると随分違うのは当然かもしれないが、あまり良いものには思えない。普通の橋ではいけないのか。普通の橋が名所になるからいいんではないのか。
千日前の帰り細い細い路地を見つけて入ってみる。コの字形になっていて、建物がそういう作りになっているようだ。つまり路地というより建物の間の通路なんだな。奥には共同便所があり、雨漏り対策なのか傘が中空にひっかけてあるのは面白い。思わず数枚写真を撮る。こういう路地もそろそろ限界なのだろうが、残っているうちに探訪できて良かった。酒を飲まない私には、普通にこういうところを見つける事がないのである。
その後大丸でスラックスを品定めしようかな、と思ったらなかなか見つからない。5階と6階を歩き回ったがない。店のものに聞くのも癪なのでそごうに行く。こちらは割合すんなりとみつかる。そうか、スラックスってカジュアルなんだ。知らなかった。でもそごうだからいいものは置いてない。残念。もう一度大丸に戻る。今度はエレベーターで一気にカジュアルのフロアに上がると、目の前がスラックス売り場じゃあないですか。なんなんだ。充実はしているけれども、こちらも気に入りそうなものはない。というか、インコテックスがない。それにほとんどはタックが入っている。色も汚い。基本おじさん向けなんだなあと痛感しつつ、こんなもの買ってしまったらあの社員旅行の面々みたいになってしまうぞと思い暗然とする。何の気なしにデパートで買うとああなっちゃうんだなあ。
本当はいくつか中古CD屋を廻ってみるつもりだったがスラックス売り場探しに手間取ったので、本町にある名前のわからないけど結構いい店にだけ行く事にする。行ってみたら、あらら、閉店セールで24日まで20％オフだって。まあこの場所じゃあなあ、と思えなくもない。惜別の念をもって商品を漁る。矢野顕子「Home Girl Journey」400円、Bonnie Pink「evil and flowers」400円、タテタカコ「そら」800円、Howard Hello「Don't Drink His Blood」800円。to rococo rotとかオ・ルヴォワール・シモーヌとかもあったけど、悩んだ末却下。来週来て30％オフとかになってたら買うよ。閉まってるんだろうけど。店を出て気付いたけど、結局最後まで店の名前はわからなかった。兄ちゃん、ごめんね。あと、モグワイの限定版を落っことしてごめんね。ちなみに今回買ったのはすべて当たりでした。「Home Girl Journey」は悪かろうはずがないし、「evil and flowers」は名盤といっていい。トーレ・ヨハンセンのプロデュースは素晴らしい。「Don't Drink His Blood」は、これも地味に名盤。チボマットの人が関わっていると思い込んでいたけど違ったようだ。
そして終業後今度は大丸の地下にある　GLRのODONATAに行ってみる。ここはインコテックスがあった。色数は少ないけど。試着してみると、足首を出した兄ちゃんが「足、お長いですね」などと言いやがる。阿呆か。はいた感じ、あまりに細くてビジネスにはちょっと、と思うのだが、むしろ太目です、トレンドはもっと細いです、などと言う。いや、そこまで細くないぞ。少なくとも40歳は。これ以上太くなるとタックが入りますなどと言い出した。馬鹿か。そんなわけないだろうが。酷すぎる接客にげんなりして逃げ帰る。次に阪神にあるこれもUAの店に行ってみる。こちらもなあ。どの色が合いそうですか、と聞いたら「グレーなんかだとコントラストが出来ていいんじゃないすか」だとよ。そんな基本的な事を聞きたいわけがないだろう。ジャケットの色合いがグリーンも混じってる複雑な色合いだから、そこをうまく合わせたいんだろうが。唯一合いそうな色はサイズがないので、これ幸いと逃げ帰る。百貨店の接客ってこんなもんか。それともUAの問題か。購買意欲が減るようなことやってどうするつもりだ。
最後の砦阪急へ。ここはインコテックスもあるもんねー、種類も結構あるしねーという安心感がある。インコテックスは数種類、なかに一番高い35700円のやつが茶系の洒落た色あいでなかなか。スタイルも細すぎない細め。高いけど、ま、いっか。女性店員の接客もいい。ダークグレーも試してみるが、それはごく普通なんで、店員の言うように「新鮮な感じ」のほうにする。今着ているハイネックシャツとは明度がそろい過ぎで合わない感じもあるが、でもこれ以上のものはないので決定。商品券を36枚出すと驚かれたが、こちらはリラックスして買い物できた延長線なので気にならない。直しは土曜にできるらしい。楽しみ。