怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

只賞味すべし

悪魔の手毬歌第5話を見る。全6話だから時間にすると約4時間となる。映画版はおそらく2時間くらいだったろうから、ずいぶん長いものになっている。全3話でやろうと思えばできるものを2倍の長さでやったのは、営業面を考えたことももちろんあるのだろうが、ゆったりとした描写がこの作品に合うからではなかっただろうか。第4話の里子殺害シーンのいたましさは圧巻であったし、同じ回で薄暗闇の中地蔵のそばで横たわる里子を写しながら手毬歌が流れるシーンはこの話の切なさを強調してくれる。こういうところにじっくりと時間を取れるのは4時間作品ならではであろうし、それが冗長と感じられないのは連続ドラマだからだろう。第5話でも横たわる里子の映像が流れた。あのシーンではセリフのない池波志乃が表情だけで見せた名演技は、決して池波志乃は好きではない私も認めるほかないものだった。
演出の森一生は、どんな作品を撮ったのかまではは知らないが映画監督であったと思う。映画監督が(心ならずもであるかもしれないが)丹精こめて撮った作品である。賞味できるのは当然であろう。