怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

4日目

スピード違反したらこうなります

早いものでチェコを離れる日になった。
まずプラハ中央駅へ散策。良い建物だが随分くたびれている。治安はさすがにやや問題ありそうだが、なんとか大丈夫なレベル。列車の写真を色々取りたかったが、早朝ゆえ列車もあまりなく、断念。
最後なのでホテルの朝食もどれにするか迷う。でもおいしいのはやはりカットフルーツの盛り合わせだ。
あまり時間は無いがそれでも時間を最大限有意義に使うべく、8時過ぎから出かける。妻がもう一度みたい(そして買いたい)というハベル市場に出かける。多分開くのは10時からだろうし、そうだとするとほとんど時間は無いことになるが、一応行ってみれば気が済むだろう。街を眺めながら散歩すると思えば無駄でもない。妻がまだ見たことの無いヴァーツラフ広場を通りながら市場に向かう。途中、ガラス屋でガラスの地球儀を見る。陸地の部分が曇りガラスで仕上げられているもので、なかなかいい。値札が無いので幾らするものかわからないが、多分結構な値段なのだろう。だが気に入ったのならそれもいいだろう。9時半開店とのことで、帰りに寄ることにする。市場に着いたのはまだ8時半前だったが、もういくつかの店は開店準備に入っている。これなら少しは買い物も出来るだろう。もう一度、朝日の旧市街広場に向かい少し散策した後、市場に戻り妻は物色開始。めぼしはついているから早いだろうと思っていたらそんなことはなく、2つのうちどちらにするか悩むこと30分。馬鹿馬鹿しい時間の使い方だ。いつも注意するのだが、一向に直らない。直ることは無いのだろう。これが梅田ならまだ笑い話だが、時間の無いときにやられるとさすがにイライラする。やっと決めたようで、市場を離れホテルに戻る。途中、Muzeum駅マクドナルドの下にある小さなスーパーでビールを適当に3本買う。缶ビールはほとんどなく、瓶ビールは500mlだ。それでも3本で50コルネ余りだから安いことには変り無いのだが、荷物がかさばってしまうのが気になる。袋は薄っぺらで小さなものしかないらしく(レジの後ろにおいてある)、しかたなくそれに詰めて上に上がる。マクドナルドの横まで来たとき、袋が破れて瓶が落下。もちろん割れてしまった。がっかりしたが、袋が弱いのはわかっていたのにもっと気をつけなかった自分も悪い。ガラスを道端に片付けてしょんぼりとホテルに帰還。朝から酒を持ってホテルに入るのはさすがに恥ずかしいと思ったが、しかたない。こういうときこそかばんを持っておくべきだったと深く反省。
荷造りを済ませてエレベーターホールに向かうと先客あり。その先客すらもなかなかエレベーターに乗れない様子。もう10時15分を過ぎている。これはまずいとともかく一度階段で下に下り、チェックアウトを済ませてタクシーを呼んでもらうとまたうえに上がる。先客はエレベーターに乗ったようだが、これが上りのやつで一旦上って今まさに下りていこうとするところ。イライラしながら待ち、やっと来たので乗るが、これがまた上り。4Fで人が乗ってきて、下りかと聞くのでさすがに今度は下るだろうと思いそういうとなんのことはなくまた上る。5F、6Fとトランクを抱えて待つ人に申し訳なく思いながらやっと下まで下りる。4Fの人と「混んでるね」などと会話。下りたとたん、ポーターが荷物を引き取る。もうタクシーは来ているらしい。申し訳ないが、急いで乗り込む。「今度また会いましょう」と挨拶する。チップを渡す暇も無い。ごめんなさい。別れを惜しむ余裕もなく、エスプラナーデを後にした。
タクシーは行きと同じくAAA。乗ってしばらくして気づいたのだが、メーターが見当たらない。おかしいぞと思いいろいろ探すと、どうやら運転手の足元にあるようだ。だが私の位置からは見えない。見えないメーターはぼったくりタクシーの手口。AAAだから大丈夫とは思うものの、見えないので心配になってくる。そんなことにはおかまいなく快調に進んでいるとパトカーが見えてきて運転手の兄ちゃんはスピードを制限速度に落とす。それほど違反していたわけではないし大丈夫だろうと思っていたら、パトカーが追いかけてきて停止を命じられた。
スピード違反というほどの状態ではなかったし、一体なんだろうと思ったが、警官はこちらには眼もくれずに運転手の免許証などを出させている。それでなくても出発が遅れたのに困ったなと思うがこればかりはどうにもならない。運転手はすまなさそうにメーターを止め「ミステイクだ」というがそういわれても困る。この状態ならまさかぼったくりはされまいが、もうチェックインは始まっている時間だし、弱ったなと思っていると、トランクから荷物を出して車検証のようなものを見られている。運転手が「いつまでに着かないとまずいか」と聞くので後20分かなお少しさばを読んで答えるとそれなら大丈夫だというが、全然安心できない。しかしなんとか処理が終わったらしく、警官はやっと解放してくれた。やれやれ。ほどなくして空港に到着、料金は505コルナ。当然チップはいらないのでぴったりの額を渡すと、60コルナ返そうとしてくる。迷惑料なのだろうが、一応間に合ったことだし悪い奴ではなさそうなので受け取らずに済ます。警察には気をつけろよ、といって別れたが多分通じてない。
チェックインカウンターは思っていたのとは別の棟で移動に時間はかかったが大丈夫間に合ったな、と思ったら凄まじい長蛇の列。列にうんざりするのもあるが、待っている間にチェックイン時間が過ぎたらどうする、と思うがともかく並ぶ。係りの人に聞いたら、何とかなるよと言うが全然安心できない。でもどういうわけか列は急に進みだし、一応チェックイン終了。やれやれ。コルナをフォリントに両替し、中に入る。すぐ免税店がありゼニアもあるが、時間は無いので妻だけ店に入れる。私も見てもいいのだろうが、時間が無いのに洋服選びは出来ない。残念。案外広くてゲートはかなり奥のほうだった。セキュリティチェックはゲートのはるか前でやっていて、後戻りは出来ないということはもう免税店にはいけないが、あまり時間がなくしかたなく通過。チェコ美人ともこれでお別れか、と思うと残念でならない。
飛行機まではバスで移動。久しぶりのことだ。かなり遠方のプロペラ機まで連れて行かれ、露天のタラップを上る。21世紀の話とは思えないが、世界的にはそんなものだろう。後ろから乗り込むタイプで、後ろの数列がビジネスクラスになっているがエコノミーとの違いは全く無い。しかも座っているのはチェコ航空の関係者だ。なんだかわからないが出発、ドリンクとサンドイッチを堪能して(素朴で結構好きだ)ブダペストに到着した。
到着するとまず両替。そしてタクシーデスクに行く。向かって一番左のカウンターに行ったのだが、ここじゃなくて外のデスクに行けというので外に出ると露天でちっちゃなデスクとノートパソコンがある。行く先を告げてヴァウチャーとカードをもらい、タクシーに乗り込む。言葉が通じないので無言の道中になる。
ホテルに着くとポーターはおらず、普通にチェックインをすませて自分で部屋に向かう。気楽といえば気楽だ。ドアを開けるのに苦労したが、やっとあける方法を発見、入ることができた。広くも豪華でもないが清潔な部屋。
オペラに行くには今日しかないので、とにもかくにもオペラに行くことにする。あまりいい席ではないとはいえ、2人で1600フォリント。安い。安すぎて不安になるが、どうせ雰囲気体験のようなものだからよしとしよう。ホテル前のアンドラーシ通りではなにかイベントをやっていてトロッコ列車などが動いている。楽しげでいいが、明日は月曜だから今日の夕方で終わってしまうだろう。残念。妻が草で作った人形の屋台を発見、1つ1800フォリントなので2つ買う。持ち帰り方が思案のしどころだが、日本ではまず見かけないものなのでなんとかしたい。
オペラの前に食事をしようということで、あらかじめ調べてあったMENZAに行く。かっこいい感じのジーンズ姿のウェイターが待ち構えている結構洒落た店。フォアグラとウィンナーシュニッツェルを注文、妻は魚のフライ。
全部量多すぎ。フォアグラはソフトクリーム2つ分にトーストと野菜がついているし、シュニッツェルはA4くらいの大きさがある。魚は2匹。そのうえ付け合せのポテトが山盛り。絶対食べられない、と思ったらやっぱり無理。泣く泣く残す羽目になる。
着替えてオペラに出発、といってもすぐそこだが。妻はワンピースに着替えたが、ストッキングがひざ下のものしかなく(なぜ)、致命的にダサい。時間が無いので出かけたが、本来買ってきたいところだ。我々の安い席は正面からではなく脇の扉から入るらしく、脇の扉から延々と階段を上り、ようやく席にたどりつく。開演時間ギリギリだったのでせわしない。席からは舞台は概ね良く見える。遠いのは仕方ない。席についてすぐ開演。
どうやら、バレエらしい。上着を着ていたので少し暑い。何か良くわからないままに終了。売店でファンタマスカット味を買って飲む。
次もバレエ。モダンな感じで終了。主役の女性が結構上手い。多分Anna Tsygankovaという人。でも群舞はあまりそろってなく、残念に思う。
最後はオペラ。これが2人だけで淡々と進むもので、起伏が無いので強烈に眠くなる。妻が言うようにさっき帰ればよかったかと思うが今更仕方ない。終幕(指揮者はバレエとは別の人になっていた)、すぐホテルに戻る。妻は具合が悪かったらしく、とりあえず飲み物を買いに行く。大通りのところで24時間売店を発見、250フォリントのCAPPYを買う。
戻ると妻はすっかりよくなっていて、なんだったんだと思うが、まぁ良かった。すぐ就寝。