怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

人と豆腐

夕食に厚揚げの麻婆風と里芋の煮転がしを作ったら、妻はいたく気に入ったらしい。
厚揚げは近くにある商店街の豆腐屋で買ったものだ。商店街は此処に越してきた12年前からすっかり寂れていて、営業している店舗は数店のみだ。看板だけ見ると昔は一通りのものがそろったのだろうと思うが、今ここにわざわざ買い物に来る人はそういまい。通路としても薄暗く人気がなさすぎて敬遠されそうなところだ。
豆腐屋はそんな商店街の入り口近くにある。いつもおばあさんが奥に腰掛けて店番をしているが、売れるとも思っていなさそうだ。私が買う時もひろうすが残り二つとか薄あげが売り切れといったぐあいで、多分そうたくさんは作っていないのだろう。どこかのスーパーか何かに卸してあとは店にいくつか並べている程度ではないかと思う。声をかけると奥から出てきて包んでくれる。せいぜい100円内外の買い物で呼ぶのもちょっと申し訳ないような気がする。今日は厚揚げを三つ買った。120円。珍しく先客がいて、しかも後からまたお客さんが来た。せっかくここでがんばっているんだから、もうすこしがんばって商売してもらいたいといつも思う。思うのだが、しかし実はそう美味しくはないのが欠点ではある。何だそれ。