怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

内省

ひさしぶりの帰省である。
ひさしぶり、とはいっても、1年も間が空いていないのだから、人によっては頻繁と言うべきなのかも知れない。
フェリーを降りいつものように黒崎駅へ。またスターバックスでコーヒーでも飲んでからバスに乗ろうと決めていたのだが、なんたることか店が無い。3月終わりに閉店したのだという。衰退著しい黒崎にあってわずかに「都市」の象徴となっていた店の閉店は、帰省の出端をくじくものだった。
さらには、家の近所のBIG BOXという中古CD屋も、閉店では無さそうだが店を縮小でもするのか在庫処分セールなどをやっている。もっとも、そのおかげでテイトウワ「FLASH」新品を2180円で、POLYSICS「ENO」を1080円で買えたのだが。

両親は喜んでくれているようでなにより。努めて父と話しをしようとは思うが、どうにもぎこちない。わざとらしいことをするには照れがある。持って生まれた性格とはいえ、自分というものは実に厄介だ。

磯田光一永井荷風」を読了。荷風の矜持と孤独に支えられた生涯は、この自分の狷介な性質と重なりあう。自分もいっそのこと結婚などしなければ荷風のように死んでゆけたのかもしれない。それが他人から見てどんなに侘びしいものであっても。だがもう自分はそこへは戻れない。といって、荷風の生き方に羨望を覚えない程遠くに行ってしまったわけでも無い。なんとも中途半端な人間である。