怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

岩屋で降りて兵庫県立美術館へ。まだプラド展は始まってないはずなのに妙に人が多い。不思議に思っていたら、ジブリ展をやっているらしい。よく無料の展示などをやってるあの余り物みたいなスペースなんだろう。やるのも来るのも勝手なんだが、とにかく人が多くて閉口する。そもそも改修・増築工事中だし、ジブリの影響もあるのか、いつもの通り道がふさがれている。案内さえ出ていれば問題はないが、目につくのはジブリの誘導ばかり。なんじゃこれは。ジブリにしか来ない客を大事にするのもいいが、これまで何度も来てこれからも来る客のことも少しは考えて欲しい。もともとここは運営の粗さが気になる美術館の筆頭だったけど、今日ので確信に変わった。これでチケットまで長蛇の列に並ばされたら承知しないからな。
と思いながら這々の体でチケットカウンターにたどり着くと、なんと伊藤文化財団の補助とかで本日無料とのこと。兵庫県立美術館、なかなかやるじゃないか。
無料の「Back to 1918:10年ひとむかしと人は言う」展はコレクションによる展覧会で、過去10年ごとのくくりで作品を展示するというもの。主に制作年による展示だが、そうでないものも一部。美術を通じてその時代を探る、というテーマ設定なのだと思うが、必然性はあるのだろうか。苦し紛れのコンセプトだなと思う。ただ、いい点もある。時代ごとで括るから、なかなか出てこないような収蔵品が見れたりする。たとえば森村泰昌の「カレンダー2008」。アートスペース虹という京都のギャラリーのために制作したと思われる作品で、小品だが森村泰昌のセンスが発揮された作品で、あの路線が合わない人でも楽しめるもの。昭和33年が実質上具体コーナーになってたり、そのほかにもいい作品はいろいろ。まあコレクションは豊富な美術館だし、普通にコレクション展でいいと思うんだけど、最近はそういうのダメなのかね。
三宮で降りてしまったがよく考えると元町まで行ったほうがよかったなと思いつつ、久しぶりに三宮から西に歩く。妻と東急ハンズに来たなとかそういうことを思い出す。この辺りにはとんと来てなかった。いつも線路の南側、そして元町あたりをうろついていたが、こうして久しぶりに歩くとただの繁華街にも不思議な感情を覚える。
目指すはトンカ書店だったのだが、なんと営業を終えたあとだった。どうも長時間の営業はしていないようだ。たしかに閉店していた時期もあったような気がするし、そもそも最後に来たのは5年以上は前だ。もしかしたら10年。こうして振られてしまい、次の機会はいつだかわからないが、さて空いた時間はどうしよう。ライブハウスはそろそろオープンするが、美術館で歩き疲れたことだし、少し休憩ということで近くのファミリーマートに行くとイートインスペースが地下にある模様。少し空腹感もあるので食料を買って下で食べる。密閉され薄汚れた空間には流れない時間が詰まっているようで、心地よい息苦しさがある。かりそめの苦行。少し元気が出てきたところでヘラバラウンジへ。
Helluva Loungeは最近来たばかりだし迷わずドアをオープン。
最初がvalva。ゆったりしたサイケ感が僕にもようやくわかってきた気がする。最後の曲がよかった。
二番目がapartment。エフェクターを使った曲は好きだし、弾き語り調のものはそうでもない。その両方をやりたいというか、たぶん本人としては区別はないのかもしれない。
最後が壊れかけのテープレコーダーズ。「水瓶座の時代」から始まり、一番古い曲がおそらく「踊り場からずっと」になるのだろうか。FRAGILE.EPのレコ発だからその曲をやるのは当然としても、最近の曲だけでセットを組み、それがまるで無理のない強力なセットになっているというのが今の壊れかけを表しているように思う。ドラムが替わったことについては今でも少し思うところはないではないが、一方で今の壊れかけが輝いていることは間違いのない事実だろう。そして一時期の壊れかけは新しい方向性を模索しているように見えたこともあったが、今は確信を持って今の音を鳴らしているように思える。久しぶりの壊れかけのライブはとんでもなく素晴らしいものだった。僕はこのバンドのファンであり続けたいし、壊れかけはそういう音を鳴らし続けてくれると思っている。
6時半スタートでスリーマンだから、もっと長くやってくれることを期待していたが、そうならなかったことだけは残念。
終演が早かったので、三宮一貫樓に立ち寄って豚まんを購入。匂わないので持ち帰りにお勧めという冷凍の方を買ったが、冷凍はレンジでは美味しくならない。今後は蒸し器を使うか、でなければ匂いを覚悟するかのどちらかにしよう。たぶん後者。