怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

昼から神戸へ。
元町で降りて、いつも後回しになりがちなモトコーから始めた。早々にキンレイ製菓向かいの古本屋でお宝ゲット。床に積んである本から顔を出していた、田名網敬一・原栄三郎「虚像未来図鑑」の値札を見ると600円。田名網敬一が若い頃に出した、50年ほども前のしかもおそらく少部数であろう本としては相当安価だろう。田名網敬一の大ファンというわけではないが、ぱらぱらめくってみたら内容はかなりいい。もしかしたら再刊されて安価に状態のいいものが手に入るかもしれないが、ボロボロのほうが気兼ねなく読めるだろうということで購入。調べたら2万円くらいするもののようで、相当な掘り出し物だった。値付けを間違うような店ではないのにこういうことがあるから古本屋巡りはやめられない。
モトコーを6番街あたりまで進む。途中、いくつかの中古レコード屋があるが、山積みのレコードを掘る体力がない。僕程度の覚悟では、中途半端に掘ったところでなにも出てこないだろう。こんなの全部掘ってたら1日では足りない。喫茶ホワイトが閉まってるのを見てUターン。
いつものレトロ倶楽部でOVERCAST SOUND「ALL WE KNOW FADES」800円、「THE ROUGH GUIDE to Psychedelic Bollywood」1200円。基本的にはご主人のおすすめと自分の直感を信じる店なので、毎回なにか買ってしまう。新しいなにかと出会うのがここに寄る目的。
新規開拓の古本屋、読尊と1003に寄る。1003はいまどきのオシャレ古本屋で、棚の一角を見ると古本市で最近見かけた品揃え。そうかここが実店舗か。店の端には古いオーディオセットが鎮座し、いい音楽を流し続けている。この木製オーディオを眺めるために来たいほどだ。
時間もだんだん迫ってきてるがちんき堂ヒカシュー「夏」500円。この店、サブカルには強いんだろうがそれ以外には無関心な風が伺え、客層もたぶんそうなのだろう。
最後に汎芽舎で「FFR001 Factory Floor」を800円で。セールの箱に入ってたのをジャケ惚れして持っていったのだが間違ってセール箱に入れて予想外の値段が付けられ、でもまあいいかと買ったのだが大失敗だった。付属のDVD欠けだけでなく、傷で音飛びもある。こんなん、まさにセール品やん。間違いで入ってたんじゃないんやん。腹立つなあ。久しぶりに行ったけどもう行かない。
いい頃合いなのでスペースeauuuへ。あの忌まわしい財布落とし事件、財布出てこない事件、絶対ハックルベリーの客だろ事件から数年経ってようやく初のeauuu。
想像に反して先にゑでゐ鼓雨磨。珍しくエレキギターでの弾き語りで。ソロはいつもちょっと不安げな演奏だが、今日はまあこん氏本山氏がいるせいか、というか途中から参加して擬似えでぃまぁこんになったせいか、わりとリラックスしていた。まあ神戸だし。最後、鍵盤の曲でリクエストを募った結果、ハプニング的に「とらとらいおん」を演ってくれたのはラッキーだった。
次が黒岩あすか+元山ツトム。ペダルスティールがどう絡むのかと思っていたが、メロディーというよりサウンドスケープとして曲に広がりを持たせる役目を果たしていた。黒岩さんのギターと歌は密室での解放というイメージがあるが、それを野外に放つような展開になり、これはこれで面白かった。
なかで、黒岩さんの「季節」が思いの丈を迸らせる名演だったと思う。だが本当はそんな言葉は使いたくない。もっと別の言葉がふさわしいと思っているが、黒岩さんのうたにはあてはまりそうな言葉がない。だからこそあの歌を聴きに何度もライブを見るのだろう。
7時開演のツーマンだから早めに終わるかと思ったらたっぷりやってくれて終演は10時前。懸案のえでぃまぁこん7インチ「交信」もゲットしてご満悦の帰宅。
妻も帰宅していた。楽しかったならなにより。