怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

仕事を終わって梅田クアトロへ。どうも悪寒がするなど風邪っぽいが、行かないわけにはいかない。なんとかギリギリに滑り込んで妻の隣に。親切な方が荷物などの面倒をみてくれた。広島の方で、東京公演も行ったという。広島から東京と大阪へというのは並々ならぬ気持ちだろうが、それが全く正しいことだということを、開演してすぐに僕は思うことになった。
サニーデイ・サービスの新作「Popcorn Ballads」は配信のみで発表され、CDは今日会場先行発売。つまり僕は全く聞いてない。お客さんの層が比較的若やいでいるのはそうしたリリース形態によるものなのか、それとも若いファンが増えたのか、それは知らない。いずれにせよ、CD発売前にレコ発ワンマンをやるというのは、今までにはあまりなかったことだ。「配信を聞いて来場するファン」に向けているのか、それとも「白紙の状態でライブを聞け」なのか。僕にとっては後者だし、それは普段僕がいつも体験していることだ。「ライブがよかったらCDを買う」。
ライブはMCなしで行われ、ただ一言「ありがとう」だけだった。観客の声は2つほど飛んだ。バカなファンもいたものだ。このライブを目の当たりにして、演者に声をかけるという愚行があり得るだろうか。固唾をのんで見守る以外にするべきことがあっただろうか。
曲はおそらく新作収録と思われる新曲群と前作「DANCE TO YOU」からのみ。再結成以前の曲も期待されているのを知りながら、この選曲。しびれるではないか。自信満々だよこれ。自信満々になるのも当然。神秘的なまでに超越しきった存在感がステージにはあった。前回AKASOで行われたライブも素晴らしかったが、今回はそれをはるかに上回るものだった。「セツナ」の二連続演奏も凄味があったが、それだけではない。最初から最後まで、今までのサニーデイとはかけはなれた何かがそこにあった。
言葉を失う、卓越したライブだった。
物販に走りたいところだが風邪で長蛇の列に並ぶのは難しく、広島の女性とお別れして帰宅。
妻は曲を知らないとダメなタイプなので不満はあったようだが、そういうのは切り捨てていいよ、曽我部さん。
帰りのバスに、足取りもよろよろながら阪急の買い物袋を下げたおばあちゃんがおり、ああなりたいねと妻と話した。