怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

嫌われてると思ってた人からにこやかに話しかけられびっくり。なんだろう。
夜はベアーズへ。女性弾き語りとかの括りは全然好きになれないというか、そういう企画の仕方には異を唱えたいとこだけどなにしろ豪華出演陣なので行くしかない。要はそれ。
長濱礼香+元山ツトム。小池さんと演奏していたインストアはまぎれもなくいかんせん花おこしだったが、今回は全くの別物。曲が違うとか伴奏が違うとかではなく、やはり違うことをやってるとしか言いようがない。サイケさはほぼなく、女性弾き語りという別のジャンルの音楽。
2番目が曽我部湖夏。旭川在住だそうだがこちらにもしばしば来ているようだ。ギターの音を大事にしているのがはっきりわかる。一音一音を丁寧に弾く。しっかり言葉を載せていく。向き合って詞を書いている。とてもよい、末長く続けてほしいひとだ。
3番目に児玉真吏奈。美しいひとが透明な声でキーボードの弾き語りというと僕の苦手なタイプになるのだが、このひとがちょっと違うのは、その表向きの下にあるなにか言い表しようのないズレのようなもの。正面を向いているようでいて、実はちょっと斜めで、その食い違いのようなものが心地いい。そこが僕の好み。ちょっと珍しいタイプだなと思っているのだが、そういう点ではけっして売れる方向性ではない。それがどういうわけか人目についてしまったらしく突然アルバムが全国流通することになったりしたようだ。わからないものだ。それは児玉さんが望んでいる聞かれ方になるのかどうかはまだよくわからないけど、分母が大きくなれば分子も大きくなるだろう。今後の展開が楽しみだ。
最後はこの4組にして堂々のトリ、黒岩あすか。喉を傷めてるということで心配してたけど声量はいつも通り。ただし声はいつもと少し違う。だがそれがよかった。絞り出すような声にはそのたびに血が滲む。この人は血を流しながら歌っているのだ。それは涙であり血なのだ。それが声を通してはっきりと見える。黒岩さんの歌は呑み込まれるような絶望を含んでいて、この声は黒岩さんそのものだった。不調など感じさせることのない、鬼気迫るライブだった。
黒岩さんにお礼を言って帰宅。お礼言うくらいしかできることはないんだ。