怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

こんな早朝にちゃんと目が覚めるから不思議だ。
余裕をもって起きてるつもりがギリギリになるのはいつもの事。早足で駅へ。いつものようにオリジンで弁当を買い、数分時間があるので温めてもらったがこの寒さでは意味なかった。新横浜で食べる頃には普通に冷たかった。
予定表を忘れていたが妻に写真を送ってもらい対応。それもこれもギリギリまで予定を見直してたからだけど、忘れたのは2度目だから次回は注意しないと。
そして新幹線で爆睡、新横浜でキッチリ起床という素晴らしさ。名人級だな。
東京駅でややまごまごしてたらおっさんがわざわざぶつかってきて、このギスギス感は東京ならでは。ほんと嫌な街だ。
上野から勝手知ったる日光館へ。おじさんがいなくてどうしようかと思ったけど、お掃除のおばちゃんに無理矢理お金を渡してなんとか。すまんね。チェックインの時間制限がいつも問題なんだけと、この手でなんとかなるなら大丈夫かな。
写美へ。おおむね開館時間に入れて、3階のTOPコレクション展から。ここでコレクションをたっぷり見られる稀な機会で、様々なオリジナルプリントが堪能できる。主に前半の作品群が好きなのだが、後半に入っての楢橋朝子ホンマタカシもいいものだった。しかし写真ってどうしても名品とかそういう重みが出ないのは気の毒なような。
2階の「日本の新進作家」。僕はなんといっても野村恵子の情念たっぷりな写真が好み。作品集はあまり公刊されてないようだけど、手許に置いておきたいところ。もう1名、小島康敬も方向は間逆ながらじわじわと感じられる空虚さがなかなかのもの。
地下1階の「アピチャッポン・ウィラーセタクン 亡霊たち」。この作家の作品は全体が好きというより、所々にとてもいいものがある。本展では「花火〈アーカイブス〉」。半透過性のスクリーンの上で、向こう側で、床で広がる、ゆったりとした夜の一幕。美しくも記憶を手繰り寄せるような映像。時々出会う、離れがたい作品だった。
Postへ。書店としてはマーク・マンダースを数冊置いてたりで興味深いし実際のところそもそも書店なのだが、お目当てのエレナ・トゥタッチコワ写真展「In Summer: Apples, Fossils and the Book」はそれほどと思えず。
MEMへ。坂上チユキ展「陽性転移 第二章: 青い小品集」は、まあ、いつも通りか。特別好きでもないとか言いつつ、見る機会があれば必ず見てるのはなんでだろう。惰性なのか。お隣もちょい立ち寄り。4階のトラウマリスは無くなってしまったようで、変わってゆくんだなここも。
恵比寿はいつも食べるところがなくて困ってたけど、なんか昔からやってそうな食堂を2軒発見して、なんで今まで気づかなかったんだろうな。
バスで児玉画廊へ。この糸川ゆりえ個展「ストーム」がクリーンヒット。やや不安定に浮かぶ女の子の寂しそうで楽しそうな漠然とした表情のわからなさは僕の好きな竹浪音羽とも共通していて、これはよくぞ来たものだと内心快哉。また、たまたま預かっているというネコがまた人懐こくて超かわいいのでまた立ち寄りたい。
バスでAXISビルへ。IMAのプラチナプリント展示はほんとにプリント中心だったしタカ・イシイの山本悍右もあまりピンとこず。
ワコウはグレゴール・シュナイダー。
ピラミデビルの横に新しく出来たcomplex665という建物に小山登美雄ギャラリーとタカイシイ、シュウゴアーツが入っており、鑑賞。この立地は楽だが、ついでに立ち寄るところが増えるのもどうなんだろう。あと、小山とタカイシイっていつでもどこでも一緒なんだけど、何故。
銀座へ移動しAKIO NAGASAWAでウィリアム・クライン「Dance Happening, Tokyo 1961」。強烈な印象を残す写真で、展示も優れていた。書籍も豊富でサイン本も多数あるのでまたいつか。
フロアが変わり小さくなったギャラリー小柳でグループ展「続・かんらん舎」。
資生堂ギャラリーで「吉岡徳仁 スペクトル」展。綺麗だなというだけの感想。
そろそろ空腹を覚え、通りすがりのリンガーハットで麺2倍を食べてみたが楽勝だったので元から麺が少ない模様。
エルメスフォーラムで「曖昧な関係」展。エルメスらしい、もう一歩で意味に届かないもどかしさがある展示。
ソニービル取り壊し前のIt's a Sony展。今日は思いがけずはかどったので立ち寄ったのだが、昔のソニーは魅力的だったのに今は、という気持ちにさせる展覧会。ソニービルの取り壊しもそうだし、結局過去の遺産をぶち壊している自分をわかってないのかね。
荻窪へ。初めて行くので、少しは街歩きも考えてたけどそれどころか遅刻寸前の到着。荻窪ってこんな遠かったっけ。
今日は壊れかけのテープレコーダーズのライブ。オリジナルメンバー最後のライブになる。そのことを僕はとても残念に思っている。44Oさんが誰よりも壊れかけにフィットしてるのかどうか、僕にはわからない。もしかしたらもっと望ましい形があるのかもしれない。僕の目に見えない諍いが活動に影響していたかもしれない。それでも、あの4人でずっと壊れかけをやっていくことを僕は望んでいた。いまさら言っても仕方ないけれども。そして、決まった以上は過去は振り返って欲しくないとも思っていた。
これは壊れかけが歩んでいく一つの過程で、なにかのメモリアルではない。活動をしばらく休み次のライブがちょっと先になりそうな、そんなライブだ。ただそれだけだ。
小森さんはただいつものようにMCをして、44Oさんもひたすらドラムを叩き、しのさんはポーカーフェイスでベースを弾いた。遊佐さんはちょっと緊張していた。それもいつも通りかもしれない。セットもいつも通り、いやこのタイミングで新曲も披露して、壊れかけの4人は期待通りのライブをしていた。ただ一つ、小森さんにいつもの熱気はなかった。
続いて灰野敬二。山崎怠雅のギターに乗せてハープを吹き歌う。このスタイルは初めて見た。何をやっても灰野。
最後は主催の鳥を見た。フリーキーな演奏は僕好みで、年月を乗り越えた凄みがある。
終わってしまうと呆然としてしまったのだが、ほんとにしばらくライブ見れないんだな。ほんとに。
西友で夜食用の割引惣菜を買ってホテルへ。
11時半ともなれば誰もいないのはいつものことなのだが、荷物を置いていた部屋に鍵がかかっていて途方にくれた。が、最終的には解決。自分の行動力と冴えに惚れ惚れする。
それにしても夜中のシャワーは寒いなあ。
そして部屋がめちゃくちゃ寒く、夜中何度も寒さで目が覚める。さすがボロ家。