怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ついにきたアップグレードのお知らせ。いい加減上下逆転させろ、という願いが通じたというか、まあ普通に見たらそうだろ、というか。やっと力を発揮できるかもしれない。
仕事終わって7つの船。
夜の北加賀屋はまるっきり人の気配がなくて死んだようだけど、そんな中に営業しているお店はいかにもディープそう。味希というお好み焼き屋なのかなんなのかわからないお店はおばちゃんが実に人懐こくて、もちろん地元の常連さんでまわってるお店なんだろうけど、僕のような明らかな一見客も上手くあしらってくれて、もちろんモダン焼きもこってり美味しくて、これはいいお店。行ける機会はなかなかなさそうなのが残念。
夜の名村はもうそれだけで異界の雰囲気を出していて、すでに作品は始まっているのだと感じた。出航までの間をぶらり過ごすのも気持ちいい。今日はこの季節としては暖かいし。
いよいよ8時過ぎ、出航。僕は本船。
この航中のことについては詳らかにしないほうがいいだろう。見聞きした細々には何の意味もない。大事なのは、その体験によって自分がもう一つの世界に、裏側の世界に入っていったということだ。ひとつひとつの仕掛けはドアノブにすぎないのだから、ドアノブのことを語るのは本末転倒で、90分の航海のあいだ自分はどこにいたのか、決して大阪の川をアートと風景を見ながらクルーズしていたのではない、ということをはっきりさせておくべきなのだ。
出航前の風景、下船したあとの「人生いろいろ」に至るまで、それは旅だった。お金では買えない旅。旅であるからには戻らなくてはならないのだが、それが悔しかった。
ただひとつ考えるのは、この航路を本町橋から乗るとどう見えただろうということ。本町橋の寂しい船着場から賑やかな道頓堀を経て名村に行き着き地面を踏むのはどうだったのだろう。それは何度も考える。