怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

あいちトリエンナーレ2016②

起床。隣はもうチェックアウト済みだった。ガランとした屋内。廃墟に来たようだ。
シャワーを浴びる。2階の客は僕と隣だけだったのだろうか。静まり返ってるしシャワーも全く混んでない。荷物をまとめて出発。ボディソープも歯ブラシもタオルも完備で、手ぶらで来れるしありがたいホテルだ。
コインロッカーに荷物を入れ名鉄東岡崎へ。移動にはそこそこのお金がかかる。昨日のうちに金券ショップに行っておくべきだったのだろうが、なにしろ岡崎と豊橋に行くのを確定させたのが昨日の夜だからどうしようもない。
着いたらまずモーニングでも食べようと思ったのだが、行けども行けどもない。どの店に行こうかなど考える余地はなく、会場に着く寸前でようやく見つけたシャングリラという喫茶店に入る。クラシカルな店内にインドネシア風の面が飾ってあるなどなかなか良い雰囲気。席はかなり埋まっていて、競合は少ないにせよ人気はあるようだ。ブリティッシュモーニングを食す。まずまず美味しく、ただ愛知の飲食店はどこに行っても水が臭いような気がする。
ここで時間調整して石原邸へ。雰囲気のよい旧家であるがあいにく団体とかちあったのは残念。
そこから岡崎シビコ。大きなショッピングビルだが実質は3階までしか使われておらず、その6階を利用しているようだ。町おこしビルおこしの意味もあるこの催しだけあって、一旦2階に案内されてからエレベーター。その2階にちょうどバナナレコードがあったので「古宮夏希とコークスは燃えている!」を780円で購入。
岡崎表屋はこれも古いビルで、やはり使われていない住居部分を活用しているようだ。こうした環境はなかなか面白いのだがエアコンは効かないのでかなり暑い。スタッフの方々も大変だろう。シュレヤス・カルレの作品はなかなか難解で、いささか自己満足と言えなくはないのだが、平易すぎる作品で埋め尽くされるよりはずっといい。
最後は名鉄東岡崎駅ビル。これまたテナントが撤退し尽くした3階スペースを使っているのだが、その隅っこにただ一軒残るキッチンコモというお店が気になった。入る勇気がなかったが、やはり行けばよかった。ここはこのキッチンコモが最も印象に残る作品だったかもしれない。
豊橋へ。
穂の国とよはし芸術劇場PLATにはたいした作品はなく、水上ビル。ここではイグナス・クルングレヴィチュスの作品が強烈だった。インフォメーションで高知のゆずドリンクを飲む。これがまた美味かった。カク一というお店のランチが美味いと教えてもらったがあいにく定休日で残念。
はざまビルを見て開発ビルへ。これもまた空きフロアを利用した展示で、面白いけれども寂しい気分も避けられない。往時はこのビルが買い物客であふれ、最上階の音楽ホールには家族が集ったのだろう。僕の故郷と同じに。
最上階の音楽ホール跡で石田尚志。贅沢に空間を使った展示で、ここ豊橋の目玉といっていい。
5階の久門剛史は以前に見た作品の再構成で、初見でもない僕にはさほどの感激はなく。
2階では「リヴァイアサン」の上映も。ビーズクッションに埋もれて見るなかなかの鑑賞環境なのだが、これを全部見てしまうと名古屋の展示が見られない。断捨離。
最後は伊勢路というお好み焼き屋で豚玉とビール。トリエンナーレガイドでも紹介されているお店とのこと。
酔いにまぎれて名古屋へ。
金山から栄会場に向かう。
明治屋栄ビルではなんといっても山城知佳子「土の人」が圧倒的であった。鮮やかな映像とキレのある音とリズム、ともすれば陳腐になりがちな表現を力技で昇華してくる。「肉屋の女」のぬめぬめした名作っぷりには及ばないかもしれないが、見始めたら席を立てない圧巻の23分だった。ここはほかにも端聡が良かった。
中央広小路ビルはここも端聡がよく、もうほとんど時間はなくなったが、がんばって損保ジャパン日本興亜名古屋ビルまで行ったところ入れ替え制で入場まで10分かかると言われたので断念。ただの無駄足だった。頑張れば見終わってライブに間に合わなくもなかったのだろうが、そこまでギリギリの行動をしてもしょうがない。というわけで今年のトリエンナーレは終わり。長者町会場は見れずじまいで、映像プログラムを1つ削ればよかったことだけど、まあ無駄に過ごしたわけではないし。無料ゾーンもほとんど見れてないけど、経験上は無理して行くほどのものでもないし。
急いでspazio ritaへ。お昼が遅かったので夕食は抜きで行くことにした。ほんとうは本場の台湾まぜそばを食べたかったのだが、意外と街中で見かけない。
spazio ritaは案外とおしゃれなスペースで、音がやたら反響する。ライブにもよくつかわれるようだが、これ大丈夫なのかなと思いつつミラーボールズ
前回の京都と比べても安定してきて、ブランクは感じさせない。夫婦になり子供もでき、それでもソリッドなギターデュオとして新曲も作り、意欲はぜんぜん衰えてない。いずれまた大阪でも是非。
そして2曲入り7インチを11月ごろに予定しているそうで、たぶん新録かな。7インチは最近の流行りだけど、ミラーボールズは7インチが良く似合うと思うのでぜひ買っておきたい。そういえばお二人にサインをお願いしたことはなかったと思うので、この機会にしてもらえれば。
蛸地蔵は反響する音を味方につけるようなライブで、たぶんレコ発をこの会場にしたのは意図的だったのだろう。ガンガン響く音が心地いい。上野さんはじめ3人の気合もものすごく、思わず引き込まれる。しかし1時間ほどでタイムアップ、地下鉄へと急ぐ。計画したときには途中までとしても1時間見れるから十分だろうと踏んでいたけれども、最後まで見たかった。
問題なく名古屋駅へ。荷物を出して、夜食は天むすなんてどうかなと思ったら売り切れだった。残念。もちろんJRにまわれば色々あるんだろうけど、万が一乗り遅れたら事だしおとなしく構内のパン屋でパンを2つ。折よく108円セールをしていたのはラッキーだったけど、ほんとは名古屋らしいものがよかったなあ。
最終の特急は満席に近く、といっても途中でみなさん降りていったので難波に着くころにはまばら。
そして帰宅。駆け抜けた2日間、疲れはあるけど充実してた。またいつか。