怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

鴨居玲展「踊り候え」展

お昼はいつもより早めにエリックサウスへ。行列はあったがすぐに入れて、もちろんビリヤニもあり。
サービスの品は量は大したことないしいつもより盛り付けが雑な気もするが、しかしビリヤニおいしい。満足だ。隣のサラリーマンがカレーを辛い辛いと言っていた。
夕方から雨。傘をさして東京ステーションギャラリーへ。
鴨居玲展「踊り候え」展。
数年前に兵庫県立近代美術館のコレクションを見て以来心を惹かれるようになった画家の大規模個展とあって期待は甚大。
作品は100点足らずでおおよそ年代順での展示。となると、正直なところ出来がいいとは思えないものもいくつも混じっている。作家の成り立ちを考える上ではもちろん重要だけれども、鑑賞という意味では足早に見る格好になり、ただ多少はそういうものもあったほうが疲れない面もあるので悪いことではない。
僕が兵庫県立近代美術館で見たのはおそらく渡欧後くらいのものだったと思うが、やはりその時代から作風が定まり、迫力も出ている。これが絶頂期というものかと思ったのも束の間、晩年の作品には背筋が凍る思いに駆られた。題材を失い描けない描けないと苦悩したという晩年の作品は、その苦悩を題材とすることで凄まじい念の籠ったものが並ぶ。特に大作である「1982年 私」は鑑賞者が画面に吸い込まれるような禍々しい磁力がある。人間を描き続けた鴨居玲の絵は鑑賞者を絵に同化させようとする力が感じられる。
この東京ステーションギャラリーは鑑賞空間としては決して良いものではないしライトの当て方も下手。客も物見遊山の人がちらほらで、今日も大声で的外れな感想を話す男などがいて閉口するのだが、しかしやはり見て良かった展覧会だった。
図録は少し不満はあるが購入。
帰宅して妻のパスタを食す。久しぶりに一緒の夕食だった。