怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

原美術館コレクション展

妻がドッグサンドを作ってくれた。
お昼に食べてから出発。大崎で下車。大崎と言われてもなんのイメージも湧かない辺境の地のように思っていたが、なにやら大規模な再開発ビルが建っている。工場か操車場でもあったのだろうか。そのころに来てみたかったが、今の大崎に見るべきところはなにもなかった。
雨のなか原美術館に到着。平日の午後でしかも駅から少し距離のある原美術館は人もまばらで落ち着いた邸宅美術館にふさわしい雰囲気をまとっている。2年余り前に来たときは、明るい陽射しの下で物見遊山の客たちが群れを成していたが、今日はそんなことはない。窓から見える裏庭も薄暗く翳っている。
今回は「開館35周年記念 原美術館コレクション展」とのことで、コレクションが存分に楽しめる。もちろん見逃した特別展の断片、たとえばやなぎみわ「砂女」や坂田栄一郎江ノ島」も見ることができるというわけで僕にとっては必見だった。
とはいえ元々広くはない美術館だから、作品数は多くない。じっくり見てもあっという間に二周できてしまう。常設作品以外ではやはりやなぎみわ、宮脇愛子などが良かった。そして作品と同じくらい良かったのが庭だった。
この原美術館の庭を臨むカフェは人気があって高いくせに土日は満席状態なのだが、今日は閑散としている。もちろん庭に出ても視線は気にならない。雨に濡れた芝生を踏み、李禹煥に雨粒が落ち波紋が広がる様子を見、まだ青いモミジの下から彫刻の点在する庭を好きなだけ眺めていられる。ゴトゴト小さく聞こえる電車の音も水に吸われて柔らかく、小鳥の声にかき消されそうだ。思えば前宅は裏の屋敷のおかげで雨の日は似たような感慨を持つことができていた。今は日がな車の騒音に押されてそんな日は一日もない。今日は久しぶりの休日のような、そんな気分になれた。結局のところ、滞在時間2時間のうち1/4は庭にいたのではないだろうか。
大崎には行きたくないので五反田まで歩く。こちらもたいして面白みのない道のりだが、あちらよりはマシかな。
さすがにくたびれて帰宅。新宿駅竹野内豊とよく似た男とすれ違った。
帰宅して妻と協力して夕食。アジフライと常備菜、ほうれんそうのおひたし。
食後、梅最中の残りを食す。