怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ホドロフスキーのDUNE

午前中はアイロンがけ。
焼き飯を作るが、いろいろ忘れていてあまり良くない出来に。
そそくさと出かけて、シネマカリテで「ホドロフスキーのDUNE」。ホドロフスキーのインタビューを中心に他の関係者らの証言、当時の資料を交えて構成されたドキュメンタリなのだが、これが面白い。
DUNEに幻のホドロフスキー版があったことはリンチ版公開時に知ったけれども、それがどのようなものだったかは知らなかった。それにリンチ版失敗の理由が、要約すると「あんなのを数時間に圧縮するのは無理」に尽きることを考えると、期待できるような代物ではないとも思っていた。
それがもし仮に完成していたとしたら傑作たりえたのか、それは実は何とも言えない。いくらなんでも12時間の映画は無理があるし、超豪華スタッフが空中分解する可能性も否定できない。チミノが「天国の門」で干されたのと同じ経緯をたどった可能性は大いにある。
だが、この映画が面白いのは、そのホドロフスキー版が面白そうか否かとはまるで無関係に、ホドロフスキー自身がとびきり魅力的だからだ。
D.キャラダインをキャスティングした決め手、O.ウェルズを口説き落とした手管、D.トランブルを袖にした個性、どれをとってもホドロフスキーの魅力を物語っている。それらのエピソードに誇張や空想が混じっていたとしても、そんなことは全く問題ではない。身振りを交えて瞳を輝かせて語るホドロフスキーの前ではくだらない詮索だ。そしてそれこそが映画会社から信頼されない理由でもあるのだからどうにもならない。しかしこのホドロフスキー独演会をこうして目にすることができるだけでも、DUNEの製作に取り掛かった価値はあるだろう。本人にはともかく、僕にとっては。
23年ぶりという新作は、予告編を見る限りではそう期待できそうもないが、だがホドロフスキーの映画は久しぶりに見てみたくなった。
映画を観終わってシャツを見繕いに数店ハシゴ。どこもいいのがない。
帰り、コーヒー豆を買って帰宅。
夜は今日届いたばかりのクスミティートロイカ。妻も気に入ってくれて一安心。