怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ポコラート宣言 2014

変に早く起こされる。寝かせてくれ。
お昼はそば。作ってくれたのはありがたいが、つゆが異常に濃い。薄味にしろとは言わないが、ひどすぎる。そばがおいしいのに台無しだ。
アーツ千代田3331へ。今日から始まる「ポコラート宣言 2014」を見に行くのだが、会期が長いのに今日行くのはもちろん理由があるからだ。
少しだけ見たところで保坂健二朗さんのトークが始まった。ほぼ満席だが作家などの関係者が多く僕のような鑑賞者は一部のようだ。
保坂さんは現在のアール・ブリュットをとりまく世界的な潮流を概説してくれて、これはまさに第一線の学芸員ならでは。フランスのリールにあるリール・メトロポール現代美術館(LaM)がアール・ブリュットを大きく扱っていることや、展示もアール・ブリュット・コレクションのような薄暗い展示から自然光を取り入れた明るい展示になっていること、日本でも日本財団の助成や厚労省の助成などで隆盛になりつつあること、先日訪れたアール・ブリュット☆アート☆日本はまさにその助成金の成果であること、など。新聞にも出ていたが、滋賀県立近代美術館の計画なども興味深い。鑑賞優先にしたいから中座も考えていたのだが、とてもそんな気になれない充実したトークだった。
そのあとは作家へのインタビューも交えて作品の解説。インタビューといってもきちんとコミュニケーションをとるのは難しいので形式的ではあるけど、でもそういうことをきちんとやるのがいいのだろう。田島絵里さんは独創的なデフォルメと色彩感があって保坂さんも激賞していたのだけど、ご本人も朗らかな人で好感が持てたし、国井勇さんは居心地悪そうにしながらもはにかみながら作品の前でポーズをとっていた。作家さんのこうした姿を見られたのも大きな収穫だったかなと思う。介助されているかたもプロだなあと感心した。
健常者ではSEIYAさんがインタビューされていて、保坂さんがシェル美術賞に出品したらどうかと勧めていたのが印象的。確かにアール・ブリュットという枠ではなく、一般の賞を得てもちっとも不思議ではないと思った。
時枝和美はどこかゆらゆら帝国を思わせるような空虚さとスリップ感が印象に残った。平野智之は不思議な言語感覚がファンタジックで、子供向きではないが絵本のようで魅力的だった。ほかには苔百虫ちろ、松本美千代など。
ギャラリーでは大塚聡「残光 - Afterglow -」、佐藤雅晴 個展「 ヒロコの肖像」が面白かった。
あと、ここにはアール・ブリュット専門のギャラリーもあって、いつもは僕の嗜好と食い違うし今回もあまり合わなかったのだけど、一枚だけいい絵があったので興味があったのだけど、それがまたピンポイントで売れていたのでああやっぱりというところ。保坂さんも「アールブリュットは買いたいという人が多い」という話をしていて、そういう下地があるのになぜ値札がついているものに魅力的な作品が少ないのだろう。
思っていたより遅くなってしまったが、最後に引き取りをすませて家路に。
まずい、できあがりが遅くなると思いながら家にたどり着き、猛スピードでビリヤニを作ったのだが、野球が長引いて妻の帰りが遅くなったので助かった。
ビリヤニは無印のレシピを無視して鶏もも肉ではなく豚ロースを使ったら案の定味が良くなった。もう少し賽の目に切ればもっと良かっただろう。次があるかないかわからないが、覚えておこう。
妻に大好評でうれしかった。