怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

大阪へ

早起きしなければと思うとどうにも眠りが浅く、夜行バスの方がよほど熟睡できているのではないだろうか。青春18きっぷと違って乗り遅れたらアウトの緊張感は僕のような小心者には向いてない。
幸い雪はなく、眠りが浅いせいで早起きもできたので問題なく出発。ずいぶん大きな音を立てたが、妻はぐっすり寝ていたようだ。
電車が少し遅れて焦ったが、結果的には問題なくバス乗り場へ。しかしいちいち冷や冷やするものだ。そんな僕からすると、予約なしで乗り場まで来る人たちの群れは信じがたい。
荷物の積みこみに手間取って、定刻を8分ほど遅れて出発。遅れを取り戻すことなく到着。今日の様子を見るとこの程度が常態のようで、何もなくても気持ち早めのバスにしておかないといけないようだ。
ラウンジでしばし休憩。ここまで来れば心配なし。
さてと思って搭乗口に向かおうとすると様子がおかしい。聞いてみると、国内線の搭乗口は同じターミナルでも随分遠いようだ。慌てた。まあなんとか間に合ったし、そもそも乗客が全員バスに乗り込むまで数分かかることを考えるとそれほど急がなくても良かったのだが、しかし慌てた。
バスで飛行機まで移動してジェットスターに乗り込む。LCCとはいうが、座席がチープなことを除けばレガシーとそれほどの違いはない。どうせ飲み物もいらないし映画も見ない。持ってきた雑誌をひたすら読むだけだ。
ほどなく関西国際空港に到着。急ぎ足で駅に移動し、JRに乗り込む。
堺市駅で下車、美曽乃といううどんやさんに入るが、客の姿は皆無。大丈夫か。しかし人のよさそうなおじさんに勧められ鴨肉ぶっかけを注文。麺は手うち、なかなかうまい。鴨の出汁もよくでていてこれもいい。ただ、麺のうまさを十全に堪能するなら鴨は余計だったし、鴨のうまみを楽しむならふやっとした麺の方がいい。この店はむしろ夏に冷やしたうどんを食べた方がいいかもしれない。ともあれおいしかった。
食べ終わって堺市立文化館 アルフォンス・ミュシャ館へ。「ミュシャが見たパリ 時代を映すポスター」という企画だが、肝心の同時代ポスターコレクションが貧弱なのかいまひとつぱっとしない。学芸員は頑張っているのだろうが、サントリーのコレクションから借りてくるか、でなければ開き直ってミュシャだけに絞るかの方がよいのでは。だがミュシャの作品群はさすがに圧巻で、特に「ラ・ナチュール」は実に魅力的。ポスターなどとは違って、世界で2つしかないようなので貴重な展示と言える。学芸員らしき男性がお偉いさんを連れて貸し出しの相談をしていたが、なんだったんだろう。
JRで今度は西九条へ。梅香堂で下道基行「torii」を見る。作品は6点と少ないが、歴史の深みを感じさせる着眼点がいいし、それを生かす画面がまたいい。梅香堂の空間にもよく合っていた。
引き返して投宿。寝不足と疲れを取るために布団にもぐりこみ、少し眠る。かなり熟睡した。
風呂に入り、いろいろあって夕食はホルモン鍋のつもりがその時間がなく、そうだ新世界のかんかんでたこ焼きを食べればいいやと思ったらもう閉店してた。踏んだり蹴ったりだな。しかも歩く途中で雨が降ってくるし、こんな時に限って傘を忘れてるし。オリジン弁当に入って生姜焼き定食を食べたが、急いでなかったらこんなの誰も食べないよ。なんとかベアーズに到着。
The Liliesがオープニングアクト。思ったよりずっとしっかりした演奏をしていた。むしろもう少しへろへろな方が味が出るような気がしないでもない。昔ギターウルフが「こんなに沢山ライブやってると演奏がうまくなってしまう」と言っていたのを思い出す。
そして本番、豊川座敷の雨敷。久々の白塗りメイクでもわかるとおり、見るからに肩に力が入っているようで、どこかもやもやする。それでも進むにつれて尻あがりにはなってくるし、なにしろ客席の熱気もあって、やはりワンマンっていいものだな、と思う。久しぶりにスギムさんの顔も見たし、見覚えのある人がいるけどだれだろうと思ってビデオカメラで思いだしたけど鉄人さんがいたり。そういうのも含めて、いい夜だった。
座敷さんに挨拶して、お土産もらって、帰った。バカなことしてるなあ、とも思うけど、でも満足できるならそれでいいや。3月に東京に来てくれるようなので、また楽しみができた。
宿に戻って寝る。