怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

TRANS ARTS TOKYO 2013

先月から始まっているTRANS ARTS TOKYO 2013、うっかりしていると見る時間が作れないので、まずは無理矢理仕事帰りに寄ることにした。
去年は大きなビルを丸ごと使っていて、しかも解体前だからありえないくらい無茶できるという夢のような条件だったから、今年はどうなんだろうと思って見に行ったら、ビルの規模こそ違うけれども、丸ごと無茶しているという点では同じだった。といっても、今日は主会場である共同ビルしか見れてないんだけど。
なにしろエレベーターが使えないのでちょっと大変(設営はもっと大変だったと思う)だけど、それも一興。
で、このビルで一番の見どころはやはり竹浪音羽。がらんとしたスペースの中を独特の浮遊感のある作品が漂っている。色づかいは特殊なものではないはずなのに、この人の手にかかると本当に特別なものに見える。瑞々しい感性が孤独感と相まって、独自のものに昇華されている、と思う。
僕は基本的に自分の好き嫌いでしか書いていないし、評論家のように格付けする気もないのだけど、5階のフロアの真ん中あたりなど、平面作品としては多分一番スペースを得ているあたり、このイベントでの竹浪さんの位置づけがわかるような気がする。作品は「さびしさははんぶんこできない」「つなみちゃん」「映画」(連作)など、点数もかなり多いし、来場者が感想を書き込める作品も設置されていて、吸引力がある。ビルを順繰りに回ってあとでもう一度見に来よう、と思って階段に出ると、あれっという後ろ姿が見えたのだけど、人違いだと恥ずかしいので静かに通り過ぎた。見終わって、そろそろ閉館なのだがもうひと眼と思いフロアを覗いたらご本人がいらっしゃり、簡単にご挨拶。感想をうまく伝えられたか自信はないけど、まあいいか。
楽しい気持ちで駅に向かっていると、どうも古本まつりというのが始まったらしく、各古本屋が店先でサービス品などを出しているようだ。といってももう店じまいの時間だし僕も空腹なので足早に帰宅。
家に帰り、机の脇を眺めると、とてもうれしい気持ちになれた。