怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

セカイがハンテンし、テイクと日産アートアワード2013

午前中はいつもの通り。
お昼に焼飯を作る。ずぼらして肉魚を入れずに作ったら、ずいぶんパサパサしたものになった。精進焼飯とでもいうのか。
妻がなかなか帰ってこないので、先に食べてお出かけ。
新宿経由で武蔵中原へ。武蔵小杉の乗り換えが延々と遠いうえに間一髪で乗り逃がしたりしたが、まあなんとか川崎市市民ミュージアムへ。開館25周年ということはバブル真っ盛り、もうそんなに昔なのか。運動場などと一体になった敷地で、この季節は気持ちいいが夏場だと歩くのがうんざりすることだろう。
建物もやや古めかしく、故郷の図書館などを思い起こさせる。あっちの方が年代は古いから、こちらは建った時点で時代感があったかもしれない。
「セカイがハンテンし、テイク」展は若手の作家を集めた企画展。なかなかチャレンジしている企画で、集客は難しいかな・・・と思ったら意外に人は来ている。というのも、地元での制作などで市民の関心を集めようとしているからなのだろう。逆に言えば交通費かけて遠くから来ている僕にはどうでもいいことだったりする。
藤村豪・内野清香の作品もその一つで、地元の小学生7万人に協力してもらったという労作。これをアートと称するのはどうなのかと思うが、なかなか面白かったのも事実。
冨永昌敬・土田環の作品は、その経歴からいっても短編映画として玩味したほうがいいようにも思えるが、見せ方にセンスがあってよかった。
中村土光の作品は、これも見せ方の勝利。タクシーの座席に座ってぼーっと見ていると時間を忘れるような心地よさがある。それはタクシーの運転手との「会話」が「対話」ではなくて実に一方通行なものだからではないだろうか。流れる言葉に身を置き、ただ受け入れる快楽。残念なのは、他の人のことなども考えるとそうわがままも言えないこと。
常設展では篠山紀信東松照明など名だたる写真家の初期作品がずらり。その新鮮さは今見てもはっとするほどで、彼らが有名になるにつれてその作品も良くなっていったというわけではないと思わされる。たとえば昨日見た若い写真家でも、いずれ高価になっていくような人もいるのだろうが、多分安価な今のほうが作品としてはよかったりするのではないか。
640円としては楽しめた。ただ交通費を考えると、というのは正直なところ。
電車の時間を気にしながら小走りに駅へ。なんとか間に合い、横浜は関内へ。歩いてBankArt1929というところに向い、「日産アートアワード2013」を見る。1階で篠田太郎の作品が上映されているのだが、これがカフェの隣に位置していて遮音もしていないものだから馬鹿騒ぎする声が響いてくる。台無し。
たしかに無料で鑑賞している僕は客とは言えないのかもしれないが、せっかくの作品をこんな環境で見せるのは作家に対しても失礼なのではないだろうか。ある程度仕方ないにせよ、せめてもう少し遮音を努力すべき。
さらに酷いのは2Fのオフィスで、ここでは関係者か誰かがドアを開けっ放しで談笑中。なぜ閉めないんだろうね。鑑賞者や作品をよりよく見せることに当の関係者が無頓着なのだから呆れる。
それはともかく、グランプリの宮永愛子作品はナフタリンというよりはその見せ方にこだわったコラージュのようなもの。できれば一部屋使って見せたかったところだろう。特別賞の西野達はトイレとしても使えるという空中楼閣で、せっかくお客さんも少ないのでやってみました。なんだかニヤニヤしてしまう。ちなみに展示室の壁にも小便器が取り付けてあり、これも配管はしているようだけどセンサーを反応させたところあまり水が流れないようだった。まああそこではなかなかできないですけど。
ほかには安部典子、小泉明朗などもよく、非常に満足できた。実はもっと小ぶりなものを想定していたのでうれしい誤算。
空腹で帰りの電車。
帰宅して、ご飯を炊いて金曜の残りのカレーとオオゼキの唐揚げで夕食。