怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

さようなら、ズボンズ。

ワンダーサイト本郷に出かける気持ちはあったが、やはり疲れが残っているのか中止になった。昼前に買物に出かけるなどして、妻がパスタを作る間にローソン100でデザートを買ってくる。今日はもっちりクレープとレアチーズ。どちらも悪くないけど微妙だった。パスタはほうれん草とベーコンのクリームパスタ。まずまず。
夕方早めに出て、池ノ上と下北沢の古書店を周遊。池ノ上では駅前にあるところが意外にいい感じだった。下北沢では、前から気になってるものがまた目について、もう少し安ければ買いなんだけどね。特にビビビは僕からすると値付けがやや高いので。
そうこうしているうちにいい時間なのでBasementBarへ。ズボンズのライブはいつも楽しみなのだが、今日はベースのMooStopさんが脱退するその事実上のラストライブなので、心中は複雑だ。
OAは挫・人間。ボーカルのキャラが好きではないが、音楽はまあまあ。そこからいよいよ。
MooStopが居るズボンズとしては今日と明日の大阪ファンダンゴと、5日のライブを残すのみ。5日は海外ミュージシャンのゲストのような出演だから、お別れとしては今日が最後と考えていい。なのでBasementBarも人でいっぱい。そんな中始まったズボンズだが、珍しい曲を交えているのとムーさんを中央にフィーチャーする場面が多いことを除けば全くいつも通り。いつも通りの4人、いつも通りのズボンズ。こんな素晴らしいバンドがもう消えるのかもしれないという思いがある以外は、僕もいつも通り。
アンコールで出てきたマツオさんがムーさんの脱退のことを語った。
「20年間ずっと一緒にいた。マッタちゃんとは24時間、りょうちゃんとは18時間くらい。ただそこに座ってるだけなんだけど」
「曲を作るときはただ俺がなんとなくリフを弾いて、そこにりょうちゃんが入ってきて、だいたいそれ違うとか言って、最終的にああやってこうやってとは言うけど、結局のところ曲が形になるのはあの入りがあってのこと」
「昔の曲もカバー曲も、そんな気は全然しない。ただ曲が俺たちの体を通って出てくる、それがズボンズ。こんなバンドはどこにもない。そう思ってずっとやってきた」
「20年は長すぎた。10年前に辞めてたらね」
「喧嘩は全然しなかった。去年のアメリカツアーでしただけかな。あれが悪かったのかな」
「俺もりょうちゃんも44歳。これから下り坂だと思う。俺だけは違うなんて楽観視はしてない。ミック・ジャガーも衰えたし、俺も衰える。そんなところに今いて、これからどうするのか、わからない」
一瞬声を詰まらせるマツオさんの姿は、ズボンズの解散を語っているようにすら見えた。もちろん解散とは一言も言っていない。そもそもマツオさんは音楽を辞めることは考えられないということも言っている。ただ、20年間続いたズボンズが一つの終わりを迎えたことはそこにいた誰もがわかっていた。
終演後、ステージにぼんやりと腰かけるマヒトくんの姿があり、マヒトくんはなんとも形容できない表情を浮かべていた。多分僕もその時同じ顔をしていたと思う。
ライブは良かった。すごく良かった。ズボンズだから当然という以上に良かった。その良かったことが、僕を悲しい気持ちにさせて、夜風を冷たく感じさせた。こんなライブがあってたまるか。二度とご免だよ。
終演後、約束通り飲み屋を3軒ほどまわったが10時だというのにどれも一杯で、結局適当なお店へ。まあ悪くなかった。僕は飲み過ぎてふらふらになって連れ帰られたけど、素面では帰りたくなかった気持ちがグラスを持たせたんだろうと今は思う。