怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

野外の渋さ知らズ

午前中、録画しておいた「エレファント」を見る。わずか10年前の作品だとは思えない。たしかテアトル梅田で見たのだが、そんなだったっけ。もっと前だと思っていた。タイトルバックの空の色と行き交う雲と声と。あとでこの空が最初の犠牲者となる生徒の見上げた空だとわかる。同じシークエンスを繰り返し繰り返し別の角度から演じさせて捉えた映像は、一つのスクールライフがそこにいる生徒次第でいろいろな意味を持つことをうまく示唆してくれる。美しい音楽。(アシッド・マザー・テンプルの曲も使われているのは初めて知った)あえてスタンダードで撮影された、居住まいを正させるような画面構成。この映画はヒントになった事件を深く解釈するというのではなく、スクールライフを「切り取った」作品だろうと思う。例の「桐島、部活やめるってよ」がよく「エレファント」と比較されていて、確かに撮影手法やモチーフは似ているようではあるけれども、作品の魅力が那辺にあるかという意味では似ていないと強く思う。ドラッグストア・カウボーイから変わらぬガス・ヴァン・サントの空気に満ちた画面はたまらない。何度見ても素晴らしい作品。続く「パラノイア・パーク」にはやや失望したけれど、この映画の後ではいたしかたない。
お昼はおはぎ。米の量としてはそこそこ食べているはずだが、満腹感は全くない。
八王子へ。だんだんと郊外らしくなってはくるものの、行けども行けども人家ばかりでうんざりしてくる。そんなに人がいなくてもいいのでは。
八王子でJRに乗り換え。なんでこんな離れたところに駅を作ったのかさっぱりわからない。
西八王子はようやく少し寂れ感がでてきてわくわくする。まず20号線沿いのブックオフPULP「This is Hardcore」250円、THEラブ人間「砂男・東京」105円。まあいいんじゃないでしょうか。
てくてく歩いて河原へ。「みんなちがってみんないい」です。思った以上に人がいっぱいいてびっくり。閑散とした祭りかと思った。渋さの前にとりあえずビール・・・と思って買ったビールが明らかにぬるくてテンションが下がった。そういえば祭りのときは自販機やなんかではなく、自分で触れるコンビニとかで買うべきだと学習したはずなのに。気を取り直して買ったタコスが、皮がへにゃへにゃで野菜も入ってない、クレープにミートソースかけたのかという代物で情けなくなってくる。いろいろ食べ歩こうと思ってたけど、ろくな露店がないんじゃしょうがない。まあでも渋さのステージ前に座って飲みながら開演を待つ。ばたばたとセッティングしてスタート。やっぱり空の下の渋さ知らズは最高。田んぼの渋さにはちょい負けるかもしれないけど、後ろに川が流れてる絵面もいいもんだ。時々空を見上げながら聞いたりとかね。ファン・テイルのソロ、大塚さんのソロ。立花さんのソロ。山口さんは今日も控え目に均整をとり、バナナ隊は華やかで東洋さんはコミカル、若林さんは美丈夫で。子供がとことこと中に入り、若林さんと戦おうとしたり、犬を連れて横ぎるおっさんがいたりと客の絡みも面白いのだが、調子に乗った客がステージの演者ギリギリまで踊りまわるのはほんと冷や冷やするしつまらないので勘弁して下さい。酔っても限度があるでしょうよ。スタッフの方々はボランティアと聞いたし、その人たちに警備員させるより一緒に楽しめるようにしようよ。
あと、ソウルフラワーのライブで見かける迷惑な口笛男、今日も口笛は少し聞こえたがステージに乱入するほどの悪さはしてなくて(1回連れだされてはいた)、やっぱりあれは泥酔してるんじゃなくて意図的に限界ぎりぎりをやってるんじゃないかな。
でもとにかく演奏は最高。1時間では序盤からすぐ終盤でちょっと・・・と思ってたけど、全然大丈夫でした。盛り上がって盛り上がって、投げ銭とかあるかなと思ってたけどそういうことではなかったみたい。でもお金を出したくなるライブいいよね。
少し余韻を楽しんで、最後に外れのないフランクフルトを食べておしまい。天気良くてよかったけど、雨でもきっと楽しかったと思う。
帰りは八王子北口のブックオフで「天然コケコッコー サントラ」950円、HALCALIハルカリベーコン」250円、KEREN ANN「101」250円、澁澤龍彦「書評集成」750円。余は満足じゃ。店員さんもかわいかったし、策略を練って50円引券を当日使ったったし。
案外遅くに帰宅。西友の298円弁当10%引が夕食でした。
連日楽しかった。明日仕事とか信じられない。