怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

フランシス・アリス展などなど

朝から清澄白河へ。電車内でTwitterなんぞ見ていたら乗換をうっかりしてしまったのだが、急いでなんとかなった。と思う。ただそれでも到着は少し遅くなったけど。
というわけでまず東京都現代美術館フランシス・アリス展メキシコ編。映像作品はどれもアーティストの個性が強く出ていて印象的。自分が面白いと思ったことをやるというスタンスが一貫している。結果的にそのプロジェクトは多くの人を巻き込んでいるけれども、にもかかわらずフランシス・アリスなしには考えられないような独特の存在感がある。そしてこれは後日見たJR展と比較するとよくわかるのだが、JRが社会をターゲットにし、社会をどうするかを考えの中心にしているにもかかわらず、最後にスポットライトを浴びているのがJRであるのと対照的に、フランシス・アリスは自分から出発し、それが結果的には社会に向かい、最後にスポット・ライトが当たるのはメキシコ社会なのだ。同時期に一見似たような方法で社会と向かい合うパフォーマンス・アーティスト二人の個展が同じ東京で開かれているのは興味深く、また得るところが大きい。
コレクション展は新収蔵品が中心で、森千裕とジョルジュ・ルースが印象的。トーマス・デマンドの「制御室」も収蔵されていたけれども、この批評性は圧巻でした。トーマス・デマンド展、なぜ行かなかったんだろ。この1作を見ただけで行くべきだったと痛感する。ほかに石井茂雄の作品、会田誠戦争画大岩オスカール幸男なんかもよかった。
そして初めての無人島プロダクション八木良太の個展。ギャラリーの方が親切に説明してくださったのは非常にありがたいけれども、3Dの作品やなにかは正直なところ何をしたいのやらという感じ。女の子受けはよいようだけど、単なるアトラクションになってないだろうか。アートとアトラクションの境界とは何かと考えると難しいけど、歯ごたえはなかったです。
ローソンでパンとコーヒー牛乳を買って清澄公園でお昼ご飯。気持ちのいい昼食でした。
丸八倉庫ビルでギャラリーを順番に。困ったことにKという男と同一歩調で周るはめになったのだけど、このKが風体はくたびれているわぶつぶつ言っているわでちょっと困る。僕も大差ないと言われるかもしれないが、反面教師としたい。
小山登美夫ギャラリーはローリー・シモンズ「The Love Doll: Days 9-35」展。好みではないけれども、力があるし構図もうまいことは認めるしかない。見入ってしまった。しかし高いですね。プリントも写真集も。
MIYAKE FINE ARTで柳幸典。直島以来かな、やはりいいです。ほかには伊島薫など。
少し時間があるので、銀座へ出てメゾンエルメスパラモデル。従来のパラモデルとは作風を変えてきていて、どちらかというと作品よりその「変え方」に興味が沸く。二人組だから作風が変わりやすいというところはあるだろうし、同じことを何年もやっていくのはつまらないだろうとも思うが、このパラモデルにはあまり惹かれないのも事実ではある。あと、場違いな男が入り込んでしまってエルメスの人すいません。
資生堂ギャラリーで椿会展。グループ展だが一番光っていたのが内藤礼。装飾を極限まで取り払うことがアートになっていくということをこれほど率直に、わかりやすく示してくれる人はなかなかいないのではないだろうか。
さすがに疲れて帰宅。放ったらかしの妻にごめんなさい。