怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

白い花 赤い花 青い花

お昼はサブリエへ。パスタがいまひとつだったのでBランチに。初めて魚にチャレンジしてクロダイのはずがアイナメとワラサのグリルに変わってしまった。ただここは魚はいまひとつかも。肉系のほうがいいような気がする。カウンターに生ハムの原木がでんと置かれていて、こういうのは好きだ。触りたい。接客は不慣れな風なおばさんが入っており、どうやら前の人はやめてしまったのだろう。おっとりした対応がよかったのだが残念。宮崎駿に出てきそうな女主人は相変わらずで、僕は割と好き。
夕方仕事の区切りがつかず少し出るのが遅くなった。先日退職された方からの差し入れがあり会社でちょっとした飲み会をしていて、僕も誘われたのだがそうはいかないので振り切って出る。
中目黒で乗り換え。わさわさとたくさんの人がいて驚く。ひっきりなしに電車が発着し人が降り乗ってきて、せわしないせわしない。ああいやだ。
学芸大学は少し落ち着いているものの、名前とは少しイメージが違ってそれなりに栄えた街らしく、やや派手な雰囲気がする。その一方で入ってみたくなる喫茶店や昔ながらの家具屋さん、新しげなビリヤード屋さんなども目につく。時間があればもう少しゆっくりしてみたいところだが、そうもいかないので道を急ぐ。APIA40は住宅地のただなかにあり、ここでライブと思うと少しぞわぞわとした感情に見舞われる。関西でも拾得のようなお店はあるのだが、やはりそうしたところは繁華街のライブハウスとは違う特別な空気があると思う。お店の中もきちんとしていて、ジャズ系の雰囲気。実は開演が7時と思い込んでいて焦ったのだけど7時20分だったので落ち着いて開演時間を迎えられた。
最初がとかげのわかば。風邪と聞いていたので声が大丈夫かなと思っていたけどあまり変わりなく、ただ珍しくミスもしていたりして。本調子でないことはいけないのかというと実はそんなことはなくて、気負いや雰囲気が適度に力が抜けたり、タイプにもよるけど調子いいと頑張りすぎてどうかって人もいたりして、本調子じゃないほうがいい結果になっていたりということもある。
今日は選曲も僕好みだったのと3マンなので持ち時間も少し長めでうれしかった。
ライブを終えたとかげさんがすぐ挨拶してくれてとてもうれしかったが、風邪でしかもライブ直後だととかげさんの身体が気遣われてしまい、まるで僕がお話ししたくない人みたいになってしまった。そういうわけじゃないです。
割と間をおかずに藤原愛。名前はふわふわした絵を描きそうな感じだが実際はタテタカコさんのようなストイックな切れ味がある人でした。流麗で明らかに専門教育を長く受けたピアノと自在なボーカルはコアなファンがいるだろうと思う。
最後は双葉双一。ねめつけるような眼差しで客席を見渡しながら独特の声で物語を歌ってゆく姿に風格があって、詩とギターに引き込まれる。正直なところ、今日のこの3組にしてはお客さんは思ったほどでなかったんだけれども、お客さんの点が全部双葉さんに糸で繋がっているかのようだった。僕はやはり関西発のミュージシャンが好きなのかもしれないなあ。
終わってからとかげのわかばさんから音源などを買い求めてお話。ほかのお客さんとお話されてたところだったので相変わらず間が悪いというか。やはり明日考えていたという路上ライブはやめる方向らしく、まあそれが一番ですね。風邪は寝ないと治らないし。お暇ならフランシス・ベーコン展をお勧めしようとか思ったけどそんな場合ではないと思う。
すごく上機嫌で帰宅。帰り道、静かな住宅街をライブの思い出を反芻しながら歩くのは楽しい。駅の近くだと味わえない楽しみだ。APIAはとかげさんを再度普通に呼んでくれたとかいうことらしくてその心意気に応えたいなという気持ちもあって行ったのだけど、音がいいし雰囲気もいいし、とかげさんの持ち味が出る場所だと思ったのでまた機会があればいいな。
途中大混雑の井の頭線でCDを落としてしまって、踏まれてもおかしくなかったけどすぐ拾ったので無事だった。ラッキーだった。