怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

東京都現代美術館周辺

朝からお出かけ。清澄白河の駅に着くと早くもそれらしい人がちらほら。服装と雰囲気と方角が分からない姿ですぐにそれとわかる。近くを歩きたくないので違うルートをとるが、最終的にはまあ続々と館内に入るわけです。
東京都現代美術館は「特撮博物館」展にたくさんの人が来ているようで入場列ができている。彼らが常設展にまわってくると大変なのでまずは常設展へ。案の定人っ子一人いない。時間少し前だったが快く入れてくれて、ゆったりと鑑賞。カプーアの作品、奈良美智の浮世絵シリーズほか意外とたくさんの作品群。寄託作品は横浜で見た寄託作品と年代といいテイストといい似通っているのだが同じ人が寄託しているのだろうか。小瀬村真美の「Frozen」は22分と長いビデオ作品なのだが、最終盤に海景が白に吸収され消えていく様が美しかった。この作品は全部か、少なくとも後半を見るべきで、数分だけ見て判断してはいけないと思う。あとはピピロッティ・リストに癒されて1階の鑑賞を終了、3階へ。ここがまた名品ぞろいで、ウォーホールリキテンスタインは何度見ても見飽きないし、ラインハート、ジャッド、フレヴィンなどなど。ホックニーやクリストもよかったし。テイストはベネッセミュージアムに近いような気がするな。
続いて「FUTURE BEAUTY 日本ファッションの未来性」展。こちらは意外に盛況で、いかにもな男性女性おばさまが多数。客を見てるだけでも飽きないが、作品もなかなか興味深い。実に30年前の川久保玲山本耀司の作品をしっかり見たのは初めて。今見ても奇抜なだけではなくしっかり服として成り立つ発想の独自性に驚かされる。日本のデザイナーに絞ったことで日本なりのファッションにしっかり光が当たっていて、僕のような門外漢にもわかりやすいし、日本でこれからデザイナーを目指す若者にも有用だったのでは。意外なくらいに満足できる企画。
出てからもう一度常設展を楽しんで、それにしても特撮博物館はすごい行列で、2時間待って中に入っても大混雑だしろくに楽しめないのでは。おかげで常設展にはほとんど周回してこないのでありがたいのだが。もともと興味もないんだろうけど。廻ってきてたのは家族連れが多くて、あれは大混雑であきらめた系なのかな。子供ははらはらするからあれはあれで困るんだけど。
それと特撮博物館の客が意外にカップルが多いとか幅広いとかオタクっぽくないとかいう意見をTWITTERで目にするが、そう思ってるのは当のオタク連中だけだと思いますよ。列を横から見たら普通にオタクの山です。
そこからEAST END TOKYO BOOKSとしまブックスに寄る。しまブックスは移転して雰囲気変わってて残念だった。
空腹なまま丸八倉庫ビルへ。小山登美夫ギャラリーでやってる桑原正彦展は、一見ファンシーなキャラクターをひたすらカワイく描いているように見える、のだが。しかしこれでもかとプリンセスや小動物やケーキを繰り出す様子はどこか違う。ファンシーな表層が覆い隠す内部をかえって主張しているかのようだ。慇懃無礼という言葉があり、過剰な丁寧さが悪意を伝えてくるという点でまさにこの桑原正彦の作品は覆い隠された毒が見えるようではないだろうか。世間でどのように評価されているか、作家がどのように意図しているかは知らないが、僕はそう感じた。
6階ではSproutの服部憲明展。31歳で初個展のこれからの作家だが、何かの情景(事件現場などらしい)を過剰なペインティングで覆い隠す禍々しい筆致には一瞬で魅せられた。手が出ない価格ではないので、ちょっと考えてみたいと思う。もう一度見に行きたい。ほかに面白かったのはMIYAKE FINE ARTSの原口典之。
空腹だが頑張って末広町に移動、サンクスでトルティーヤを買い3331へ。「3331 アンデパンダン」などを鑑賞するが疲れててあんまりよく見れてない。
秋葉原で頼まれもののDVD-RW10枚550円を買い、帰宅。詰め込みすぎな一日だったが、前半楽しめたのでよかった。