怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ジャクソン・ポロック、田中敦子、石田尚志などなど

朝8時半に出て病院は9時半到着。採血して11時前にはすべて終了。病院はやたらと人が多く、まるで発展途上国の病院を見るかのようなカオス感。特に会計は人波をかきわけて済ませる雰囲気があったりと、病院らしからぬ活気があって、これはこれで楽しい。
薬をもらって、時間があるのでディスクユニオンのジャズ館をのぞいて、共栄堂でスマトラカレー。カレーといってもスパイス系・アジア系・欧風系とあるがここは欧風系。煮込んだ香りと深みがポイントで、僕の好みではないが独特の味わいがあって好きな人は好きだろうなと思う。
検査のために余裕を見て一日休暇なので、ここから国立近代美術館へ。土日は大混雑だろうがさすがに平日はゆったりの「生誕100年ジャクソン・ポロック」展。目玉の「インディアンレッドの地の壁画」は、色の重なりと立体感が立ち上ってくるような感覚があり、確かに傑作と思わせる。その前後の作品も素晴らしいものがあるし、初期の作品でも「誕生」などは絶頂期の作品の萌芽を見せている。ただ、頂点の作品とそうでないものとの落差も相当にあり、早逝したポロックが長生きしたとして、どれほどの名声を維持できたろうかと考えてしまう。例によって図録は実物との落差を感じてしまい購入見送り。グッズが山盛りなのも気に入らなかった。ポスターはちょっと欲しくなったが、買ってもたぶん飾らないしな。雨だし、止めとこ。
常設はやたら広くて疲れた。いい作品も点在しているが、焦点が定まらないので充実感がいまひとつ。
清澄白河へ移動。小山ギャラリーに行こうとするが入り口がわからずうろうろ。わからないよ、こんなの。「風能奈々 水の漏れないうつわ」展と「蜷川実花 PLANT A TREE」展。蜷川実花は、うーん、新しい作風なんだろうけど、あまり蜷川実花に求められてる感じがなくて、うーん。
で、ここはいくつものギャラリーが集まっているビルで、そこで飛び抜けて良かったのが、タカ・イシイギャラリーの石田尚志個展。コマ撮りによる映像作品・・・などという紹介では魅力の1割も伝わらないと思う。予定がつかえているので渋々後にしたけれど、何もなければもっともっと見たかった。今後も要チェックです。
で、東京都現代美術館に行く途中の、島という古本屋で澁澤龍彦「西欧作家論集成上下」1200円。品揃えが魅力的なのでここも巡回コース入り。
そして「田中敦子 - アート・オブ・コネクティング」展。電気服ばかりが注目されるけれども、この人のコアは「コネクト」の部分にあると思う。ベルとベルを接続する、電球と電球を接続する、丸と丸を接続する、コネクト。後年の絵画作品に頻出する丸と線だが、描きたいのは実は線で、「繋ぐ」を表現するために丸を描いているようにさえ思える。作品から受ける心象はアール・ブリュットを連想させるなど、実はすこぶる現代的な作家なのだと感じた。
コレクション展は、これも膨大でさすがにぐったり。コレクションではないのだけれど、ピピロッティ・リストの作品があって、これはリフレッシュにもってこいだったのでありがたかった。監視員のお姉さんに一人美人さんがいたのも実は結構記憶に残ってる。
薄暗くなった美術館を出て駅へ。途中、EASTEND TOKYOという古本屋があり、これも巡回コースに決定。
疲れきって帰宅。盛り込みすぎた。悪い癖。