怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

帰省への旅1

5時に起床、朝食や冷蔵庫の片付けなどをして出発。
6時過ぎなんてろくに人は歩いてないと思ったら全然普通でした。まあ涼しいしね。
立花駅から出発。新聞や切符なんかを持ってたものだからお茶をベンチに忘れてしまう。お茶でよかったと思うしかないが、このうっかり具合はいかんなあ。
芦屋で乗り換え姫路まで。姫路から東岡山へ。早起きしているから眠いんだが、寝過ごすと大変なことになるので寝るわけにもいかず。東岡山は乗換駅なんだからそれなりに大きいのかと思っていたらずいぶんとひなびた駅でした。こういう駅でぼおっと待っているのはなんだか楽しい。
邑久駅は単線の駅で、小さいがそれなりに乗降客は多い。まずはお茶を調達、ほどなくバスが来た。
乗ると最前列の観光客に運転手が日本刀の作り方やらの雑学をレクチャーしていて、親切な運転手さんだと思っていたら刀のつばを見せたりしてる。準備万端だ。そこまでやってくれる路線バスはいいものだ。両備バスの運転手さんは皆そうなのだろうか。楽しそうに仕事をしている姿は、見ていて気持ちいい。
紺浦に着いて早速瀬戸内市立美術館へ。旧町役場の一部を改装したもののはずだが、エントランスや何かは立派な美術館。海が近いせいか、さわやかな印象だ。アール・ブリュット展は、舛次や澤田、戸来ほか既知の作家が多いので、新鮮さがないのは仕方ない。戸來貴規の作品は何が書いてあるのかとずっと思っていたが、きちんと解説してあるのはうれしかった。模様のようなものは字をデフォルメしているものだということがうっすらとわかる。独自の言語を持っているのではなく独自の美意識に基づいたものなのだな。改めて思うけれども、舛次崇の構図や色彩感覚は一級品で、その分アール・ブリュット感は低い。全般に今回の展示はアール・ブリュット感よりは普遍的な美術作品としての価値の高さを強調しているようだ。
そんな中で中心的に位置づけられそして僕も感銘を受けたのが郗万里絵の作品。皮膚を剥いで筋肉組織が剥き出しになった人体標本を見ているようなおぞましさと魅力をたたえている。アール・ブリュット・ジャポネではここまでの感動はなかったのだが、理由は作品のチョイスなのか自分なのか。俄然NO-MAに行く気になった。ポスターも素晴らしかったし。何しろ帰りのバスまで3時間あるからのんびり見れる。
小さなショップでは本展の作品を使ったノートがあったが、ノートはなあ。いい展覧会だから何か買いたかったのだが。
美術館を出て、とりあえず左にずっと歩いて行ったが昼食食べられそうなのは喫茶が2店。ただ営業中ではあるものの食事が出るのかどうかという感じなので仕方なく戻って右へ。ほどなく魚一という寿司屋があった。寿司か・・・と思ってもう少し進んでみたが期待は持てなさそうなので魚一へ入る。意外なことに先客が二人。カウンターで並握り800円を注文。並握りで味のことを言うものではないですね。それなりの値段ならそれなりのものが出てくる感じはある。きちんと背筋を伸ばした寿司屋さんでした。
食べ終わってバス停へ。バス停は造り酒屋の前にあるのだが、そこで酒を買ってきたらしい女の人が立ったままカップ酒を飲んでいた。いい手つきでくいっといくさまはほれぼれする。いい姿勢でくいっ。アル中的な自堕落さはなく、といってかっこつけてるわけでもなく、恥ずかしそうでもなく自然体でくいっ。なんとなく勝手に見汐さんを思い出した。市役所で降りて行ったが、憧れるな。いいもの見せてもらいました。行きの運転手さんといい、こういう出会いがあるから旅は面白い。車では味わえない醍醐味だ。
邑久駅から岡山へ。岡山で少し時間があるので改札を出てみたが、以前と違ってすごく立派な駅になっていた。
岡山からは倉敷まで団体観光客と一緒だったのでかなり混んでいた。途中、笠松を通るので車内からのぞいてみたが、様子はわからなかった。再開発前は素晴らしい町だったのが再訪すると惨憺たる状態になっていてがっかりしたので、また行く気はしない。思い出の地、たとえば夕食を食べた食堂などを再訪したい気はするんだが。
福山で花火大会があるらしく、浴衣姿の人が何人も乗ってきて華やかだった。
広島到着。福屋でオノ・ヨーコ展のチケット購入。折角なので広島電鉄に乗車。全線150円は安いね。電車は古いものもあるが趣があるほどの古いものはなく、新しいものはチェコなどで走ってるような低床の現代的なものもある。広島は町並みも道路や並木の感じが欧州的で、かなり洗練されている。僕は古い街並みが好きだがそれが広島にあるわけはなく、新しい街だがそれなりの美意識のある広島はなかなかのものだと思った。
原爆ドーム旧広島市民球場をちらっと見学。広島市民球場を南西から北に見た図はなんとなく記憶にある。あの時の父の優しさは今もよく憶えている。
ファッションビルの上のグルーヴィンに行く。棚の分け方がいまいちよくわからず量も多いので疲れてる体では見る気がせず流し見で終わる。続いてアカデミィ書店2店。収穫はないが、カープコーナーがあるのは目を引いた。グッズはもちろんサイン色紙が数十枚もあり、選手によって値段をつけてるのはすごいというか。駅にもカープグッズの売店があるし、なんかもう根づいてるんだなと思った。
そうこうしてるうちに8時になるので夕食へ。有名店だという八昌へ。風俗店らが並ぶあたりなので期待は高まる。風俗に行く気はないけどそういうところを歩くのは楽しいな。
20分ほど並んで入店、さらに20分でそば肉玉が出てきた。焼き方は分業制らしく次々と焼かれている。こうしないとさばけないんだろうが、いわゆるお好み焼き屋の雰囲気はないかな。で、味ですが、うーん。期待しすぎなのか、大阪風に慣れ切ってるからか、口が驕ってるのか。昔みかちゃんや広島屋で食べた時のほうがおいしく感じたな。なんかもやしが多すぎる気がするし卵のパリパリもなんか違和感あるし。疲れてるからビールはおいしかったけど、577円てのもな。客あしらいはよく気が付いていてよかった。
酔ってふらっとメディアカフェポパイえびす通り店へ。12時間パックなので9時すぎに入っても朝までいられる。入ったらベッドソファが一席だけ空いていてしかも一番奥というグッドタイミング。ありがたい。店員さんもすごく感じがいいし、なんか不安感がなくなった。初めてなんで結構緊張してたんだけど。入って早々に横になり、寝る。2時半ごろ騒がしくて一度目を覚ましたがその後5時半までぐっすり。飲んでなければもっと眠れたかも。