怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

渋さ知らズと讃岐

朝早めに三宮へ。不都合もなくスムースにバスで出発。乗車率半分くらいでゆったり。コーヒーのサービスもあるらしいが眠れないといけないし後ろまで取りに行くのも厄介。うとうとしつつ、順調に高松到着。心配していた雨は降っているものの、強くはないので一安心。
まず高松市美術館で「コラージュの諸相」展。草間彌生はじめ作家は錚々たるもので、作品もポスター(横尾忠則粟津潔)以外はすべて初見なのがうれしい。荒川修作が一点出ていたが、やはり良さがわからない。草間彌生は初期作品でAirmail Accumulationがよかったかな。ほかに地元の作家で依田順子のThe Oceanが和紙の質感を生かしつつ色のバランスや立体感がよかった。展示のコンセプトとしてはコラージュといいながらコラージュらしからぬものまで含まれていたしその考察も特にないようなのがどうかとは思うけれども、ある種のテイストに沿ったものを集めたということだろうか。200円でこれはお得。もう一つのコレクション展は「蒟醤の系譜」。蒟醤とは漆塗りの技法のひとつだそうで退屈かと思ったが、さすがに本場だけあって技法の進化と図案の進化がよくわかる良い展示でした。
特別展は「トリックアートの世界展」だそうですが、どうにも子供騙しの気がして、パス。まあ時間もないし。
11時半なのでお昼ということで近くの明石家といううどん屋さんでぶっかけうどん。歯ごたえのある太麺でおいしかった。230円でてんぷらをつけても310円という安さ。ごちゃごちゃしていておいしそうな店構えではないけれど、見かけにはよらないものだ。
続いて瓦町のルーツレコード。田口商店のような感じかな。収穫はないがなぜかSUN RAの品揃えが異常に充実していた。
商店街に大きな鰹節屋さんがあるのがさすがうどんの町だけのことはある。いい香りでした。
ちょうど時間なので瓦町駅へ。昔は風情のある木造の駅舎だった記憶があるが、もう20年前だからとっくに鉄筋のビルになっていた。仕方ないね。自動改札がずらっと並んでいるがそれはICカード用で切符は駅員さんが鋏を入れるという途中をすっとばしたところが面白い。
そしてゆっくりと琴平へ。景色を眺めながらあっという間に琴平に着いた。本当はその手前の榎井で降りてうどんを食べるつもりが乗り過ごした。トイレで雨仕様に着替えるのに手間取り、時間を浪費。うどんや井上でかけうどんと天むす。時間が遅いせいかうどんはこしがなく、つゆも天むすも塩気がきつい。ちょっと残念な出来かなあ。値段も350円と200円は高すぎる。かけうどんといっても山菜などが載った豪華版だけど、観光地価格という場所じゃないし。でも地元の普通のおばさんが自宅でやってるうどんやの雰囲気はなかなか味わえないかも。早い時間に塩気の好きな人が行けば多分感想は全然変わるのかもしれない。その近くの平岡精肉店で人だかりがしていたので便乗してメンチカツ。人が多い割には少し時間がたっていたが、揚げ物は揚げたてより少し寝かせたほうがおいしいのだ。ちょうど食べごろで、ジューシーさはあまりないが香りがいい。おいしいメンチカツでした。230円はちょっと高いけど、満足。もう少し時間があるので散策していたら屋根付木造の橋を発見。鞘橋というらしい。見届けたらあわてて琴平駅に戻りバスに乗り込んだ。昔ながらの丸ポストやお店が並ぶ琴平でもう少しゆっくりした買ったけど、2:40のバスが一応最終だから仕方ない。
バスが着いて、池に降りて行く。雨が残念だが、1年前と変わらないヒッピーコミューンの雰囲気。これがアートで田んぼ。田んぼだからぬるぬるべちょべちょで牛ふんの臭いもするが、まあ。今回はいろいろ食べるぞと思っていたが、雨でそういう気持ちが盛り上がってこない。自家製ビール(濃厚でおいしかった)とピザだけ食べた。
ここではバンド3つと朗読だけ見たが、なかでピクニック・ディスコが出色。原始的なピコピコに女性2人の踊りとボーカルが入り・・・って書いても面白さは全く伝わらない。とにかく自由で、面白ければそれでいいという潔さがすごい。これは恐ろしいよ。一度は見ないといけない。youtubeなんかではこれは伝わらないから、一度はぜひ生で見てほしい。また見たいけど、田んぼの真ん中でこれを見るシュールさは二度とない。それが残念。
そして渋さ知らずをやるという河野さんの脱穀工場へ移動。飲食ブースはどうなるんだと思ったらあとから一部持ってきてくれて、チューハイとおにぎりをたべることができました。
工場は明らかにこのために壁をとっぱらってるわ、お向かいの家はうるさいだろうけど大丈夫かなと思ったら河野さんの家だわ、実は土を急遽削って客席スペース作ったよという大胆さ。しかもリフトを動かしてきて舞踏スペースを作るという。すさまじい本気っぷり。というか、雨天は公民館だったんじゃ・・・。いや、公民館じゃ雰囲気出ないからこれでいいんだけどね。
んで、サウンドチェックからそのままナーダム!なだれ込むような展開がいい。佐藤帆の見事なソロから始まって、もう最高。どこがどうとか全然覚えてないけど、みんなよかった。辰巳さんのテルミンとペロさんのダンスとか、体から湯気を出して踊る若林さんとか、宝子さんを台車に載せて不破さんが乱入とか。ある人の日記によると、メンバーは風邪ひいてたりと体調が悪かったらしい。まあむちゃくちゃな日程のツアーだし、ホテルにもろくに泊まれないだろうし。そんな中でも最高の演奏をしてくれた。もちろん、去年のような池のほとり、田んぼの中、両側で火が燃え盛り、アンコールはないところを走る男、遠巻きに見ながらカメラで撮ったりしてたのを一気にぶち壊す爽快感とか、そういうのはなかった。でも、今年は去年じゃないんだからそれでいい。楽しかったんだからそれでいい。来てよかった。雨に濡れながら楽しめた。
お祭りが終わって物販で去年のうきはのDVDを買った。多分唯一持ってない奴。帰りのバスの時間が迫ってたけど、勇気を出してペロさんにサインをお願いしたら快くやってくれた。うれしい。不破さんのサインももらえた。日付入れてもらえばよかったとあとで思ったけど、なにしろうれしくて緊張してて。不破さんの手はがっちりしてた。あれが不破さんの手なんだ。
なにしろ雨の中でサインをもらったから、帰ってみると紙ジャケはあちこち擦り切れてたけど、それは仕方ない。サインは無事だったから、それでいいや。楽しかった。
今年はアート作品があまり楽しめなかったのは残念だった。5月の香川なんて雨はあまり降らないはずなのにね。ともかく、運営のみなさんありがとう、お疲れさま。

片原町から歩いてファーストイン高松へ。片原町のあたりは商店街を電車が走ってると思い込んでたけどそうじゃなかったようだ。なんで勘違いしたんだろ。
ホテルはやけにがらがらで静かなのはいいけどちょっと静かすぎたかな。あとカプセルフロアが変な匂い。でもまあ、文句はないです。2500円なら。