怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

午後から国立国際美術館横尾忠則全ポスター展と束芋展。どっちがメインですか、と言われたら、束芋かなあ。でも横尾忠則も見逃すと後悔しそうだし。
とか思いながらセブンイレブンで前売券を買って出陣。
横尾忠則は、入ってすぐの60年代ゾーンがすさまじいクオリティ。独特の色使い、コラージュ具合、爆発してる。ところが70年代に入りな感じが漂い始めるとだんだんレベルが落ちてくる。90年代以降は少数の良作が自分の作風をなぞっただけではなかと思うような駄作に埋もれて展示されている。宝塚のとかひどいもん。これ、横尾忠則が作ったんでなければ、担当者にボロカスに言われて没じゃないの?以前見たウォーホール北斎が年代順の展示で、最後の方ははっきりとクオリティが落ちていたことを思い出す。みんな同じなんだ。もっとも、昔のものは良作だけが保存されていて近作は全部展示という可能性もあるけれども。50年代の作品も結構よかった。マッチ箱的な、素朴だけれども才気のほとばしった作品群。
ひとまわりして、なぜか最後に物販が。図録は12000円(!)なうえに、小さなページでは魅力が全然伝わらない。良品だけ厳選して大判で・・・というのは図録じゃないか。ポスターは・・・6300円!10500円!21000円!・・・強気すぎる。もちろん買わない。だれか買うんだろうか。こうなると、街で見かけるポスターが俄然欲しくなるんですが。
続いて束芋。アニメーション作品は正直退屈なんだけれども、悪人シリーズ以降のは、エロスをはらんだ肉体がタナトスに融合してゆく感じがぞくぞくする。久しぶりにビデオドロームの感覚を味わった。期待していた割には、だけど、なんとなく心にひっかかりをつけられた感じがする。
所要時間2時間半余り。