怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

さぼりーまん

妻に頼んで今日は無理に弁当なしにしてもらった。
仕事が予想外に長引いて、会社を出たのはもう1時半近く。一旦肥後橋のピッツェリア・ラ・ポルタに行ったのだが、ピザは昨日食べたばかりだし、ほかのメニューが気に入らずよそにまわることにした。これが間違いの始まり。
次に行った魚蔵は入ると女性店員が変なものを見る目でこっちを見ている。なんだよ、感じ悪いなと思ったら板前さんが「すいません、今日は終わりました」だとさ。帰りに確認したら店の前の看板は「握り中」。
となるとほかの店も同じ事で、数軒とも店じまい。さっき通った時には開いていた店が閉まっているんじゃ落胆もひとしお。やっと焼肉まるはちが開いているのを見つける。当然客は私一人で、主人夫婦も片付けに入っているようだったが、快く接客してくれる。ありがたい。豚トロ塩焼定食、美味しゅうございました。ただ、当然ながら気を使ってフルスピードで食べたため胃にもたれてしまう。
そして国立国際美術館。平日というのに予想以上に人が多い。ほとんどはおばちゃん、老人だ。当たり前か。展示はやや詰め込み過ぎの感があり、ひたれる感じが薄い。胃がもたれているせいもあるだろう。最後にはとうとうベンチで仮眠をとる始末。せっかくゆっくり見ようと思ったのに、残念だ。会社をさぼった罰だろうか。よかったのはジャコモ・マンズー「枢機卿立像」。位置取りがよく、奥まった場所で斜め上から自然な照明が落ちてきているところは最高。藤田嗣治は見た事が少ないかったろうか。今回の「横たわる裸婦(夢)」「婦人像」はなかなかよかった。エルンスト「灰色の森」はもう何度目かだが、やっと良さがわかってきた。マルセル・デュシャンマン・レイもいい。マン・レイの撮ったデュシャンを見て、おばちゃんが「デュシャンって男の人、絵描きさんかねえ、ほら後ろの部屋が」などと言っている。帰れ。井上有一「愚徹」森田子龍「灼熱」も存在感たっぷり。瑛九「泉」も素晴らしい。ウォーホール「マリリン」は不気味さをたたえる秀作。なぜそう見せる事ができるのか。田中信太郎「音楽」は音楽の本質を考えさせられる作品。人だかりがしているのは面白さだけではなく、そこに音楽があるからだ。杉本博司光の教会」はカメラという道具をきわめて絵画的に使って成功している作品。やなぎみわは「アクアジェンヌインパラダイス2」でした。思い出深い。
あっという間に5時、閉館。図録1500円を購入して帰宅、食事の支度をして妻を待つ。ろくでなしの有意義なひととき。