怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

呪詛

会社をさぼって京都に行く。出町柳駅から鴨川を渡る。良い季節の鴨川は本当に気持ちいい。適度に街中なこのあたりは特に良い。下鴨神社の緑もいいし、川原を歩く人の姿もいい。
渡ったところにあるボンボンカフェで昼食。川が見えるところの席がちょうど空いていたので座ってもいいか聞いたら順番待ちなんだって。そういうものですか。見えるどころか一番奥の隠れ家のような席に座る。まあこれはこれでいいかも。店は全体的にかなりボロなのだが、京都という魔術なのかなんなのか、ボロであることすら一種の味わいになっている。料理は黒鯛の香草パン粉焼。味はまずまず。パンが長細いやつで形と味が気に入る。あと、食後のバニラカプチーノも美味。テーブルが割とゆったりとした間隔で置かれていて天井が高いので空気も時間も緩やかに流れる。こういうところでぼんやりしたいけど出来ない性分なのは分かってる。接客はつっけんどんでもないがなにか戸惑うような感じであまり好ましくはなかったが、まあいいや。
少し歩いて相国寺に行き、承天閣美術館若冲展。入るまで延々歩かされる。土日はこの順路に順番待ちの列ができるのであろう。ああやだやだ。スタッフの数が異常に多い。減らしてチケット代を安くしてもらいたい。前売りで1200円は高い。第一展示室は障壁画やいろいろな作品。相国寺の自慢話や宗教の宣伝もちらほら。でも作品はおおむね見応えがあるし、鹿苑寺から持ってきた床の間なんかもいい。例によって2周。第二展示室は入るとずらり並んだ動植綵絵が圧巻。人もこっちの方が多い。つまりこっちのほうが滞留時間が長いってことだ。ボリュームには確かに圧倒されるけれども、絵をひとつひとつ見てゆくと必ずしも良い作品ばかりでもない。魚を描いた作品はまるで図鑑から書き写したようで生命感に欠ける。鶏はさすがに素晴らしいがあまりそればかりでもどうか。どうも小動物は苦手というかどう配置したらいいかわからなかった感がある。とはいえ、見事な作品群であることもまた確か。
2時間ほど満喫して退室。図録2500円は買わなかった。外にあるグッズ売り場でも何も買わず。図録はまだしも、手ぬぐいやクリアファイルを買う人の気持ちがわからない。
相国寺を出て御霊神社方面に向かう。途中、鞍馬口の駅のあたりで神輿が舞っている。御霊神社のお祭りなのだろうか、末廣会の法被を着たむさ苦しい男がたくさんいる。旧暦でいうとそろそろ夏、そういう季節なのかな。近くの幸楽屋でわらび餅とつれずれを2つずつ購入。210円と128円。わらび餅は大人気で昼には売り切れると聞いていたがそんなことはなく普通に並んでいる。ついでに言うならおいしそうにも思えないが、まあ評判らしいからおいしいのだろう。
帰宅後妻に見せると、評判のわらび餅はこういうものではないらしい。確かに味もよくない。むしろ不味い。
思うに、本来のわらび餅は売り切れ、その後来た客には市販のどうでもいいようなわらび餅を売りつけるのを商売にしているのだろう。ほぼ詐欺と言ってよい。客に一言あってしかるべきではないだろうか。こういう店にはさっさとつぶれてもらいたい。