怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

プライスコレクションはプライスレス

会社をさぼって(ちゃんと有給はとってます)京都国立近代美術館へ。
河原町駅から東大路を通って向かう。10時過ぎに一澤帆布の前を通るとちょうど開店直後だったのか行列が少しずつ店に入って行くところだった。すぐに入れるようならのぞいてみようかと思っていたが、わざわざ待ってまで見る事も無い。商品的には向かいにある信三郎帆布の方が正当なのだろうがなにぶんタグがセンス悪過ぎなので購買意欲がおこらない。といって今の一澤帆布を買うのもためらわれ、となると多分当分買う事は無いのだろう。
美術館は平日だというのに結構な客入りで、当然だがほとんどはおばちゃんか老人である。そりゃ普通会社さぼってくるところじゃない。
照明が明るく(江戸の誘惑はひどかった)見やすい上に開放展示も多く、心配になるほどだがありがたい。愛知県立美術館の木村コレクションでも開放展示はあったがごくわずかで作品の素晴らしさでもこちらが優る。
人は多いが鑑賞しにくいほどではなく、ゆっくりと見て回れる。
永沢蘆雪の各作品、神仙亀図や白象黒牛図屏風などが異相の構図や表情のおかしさでこころをひく。亀岡規礼の猛虎図は虎の背中が美しい。山口素絢の夏冬白鷺図屏風は銀地が冬の寒々しさを的確に表現している。同じく山口素絢の美人に犬図は女性の揺れる袂とはだけた和服の効果が素晴らしい。森狙仙や渡辺南岳の猿も良いし、葛蛇玉の雪中松に兎・梅に鴉図屏風も夜闇に降りしきる雪が墨絵で効果的に表現されていて見入ってしまう。もちろん目玉の伊藤若冲も非常に現代的なデフォルメ等の手法で好ましい。
コレクション展では横尾忠則の作品が展示されていて、今更ながら筒井康隆の漫画は横尾忠則の影響下にあると認識した。それにしても天井桟敷の時代は遠くなりにけり、だな。
その後細見美術館に寄るつもりだったが疲れたので次回以降にすることにし、コープインで昼食後帰途についた。

帰りに忘れ物センターに寄るが届け出なし。がっくりする。念のため派出所にも寄って届けを出す。応対した若い警官が恐ろしく手際が悪くいらいらさせられる。警察官の頭脳レベルは所詮こんなもの、年配なら慣れでカバーしているのだろうが内実はこんなものなのだろうと思い知る。