怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

もう少し人が少なければね・・・

草間彌生展をやっていたことを思い出したので京都に行く。
河原町で降り、お昼を食べてからぶらぶらと京都国立近代美術館へと向かう。
やはり京都は冬がいい。空気は澄み、靴音が耳に響く。寒いのは決して好きではないが、こと京都ではその寒さが心地よさに感じられる。
さて草間彌生展だが、3Fを中心に4Fと1Fにもいくつかの展示があった。
1Fの「ナルキッソスの庭」はステンレスのボールを敷き詰めるというものだったが、残念ながら規模が小さく、あまり面白くない。もっとエントランスの方にまで延びてくればよかったと思うのだが。
4Fの「宇宙の心」と「天国への梯子」もあまり効果的ではない。「梯子」の展示のしてあった部屋に「宇宙の心」のミラーボールを置いた方が面白かったかもしれない。あるいは屋外とか。
最近の作品では「水上の蛍」や「信濃の灯」は素晴らしいけれども、草間彌生の色はあまり無い。南瓜などは一応草間らしいところはあるものの、むしろポップアートでしかないようでもある。1Fのショップで小物やTシャツを売っていたが、女の子が「カワイイ〜」と言いそうなものだ。まぁそれも悪くはないのだが、1953年の膨大な作品群から湧き出てくる情念とは全く異質だ。
情念とはいうが、草間作品の網目やブツブツ、ポリープ様の突起などは、一見気味悪いようでいてよく見れば日常を破壊するようなところはない。生をおびやかすものでは決して無く、それはむしろ生の一部分であるようだ。ああいうモチーフが草間の病歴と関係があるのは明白(小学校5年生のときの肖像画はすでにブツブツで覆われている)だが、あのブツブツと草間は共生しているのだ。「I'm Here,But Nothing」の部屋が妙に安らげるのもそのせいなのだろう。
図録は豪華で凝っているが、だが2200円は少し痛かった。

お約束だがまたいくつかの中古CD屋をまわって帰る。ブックオフ三条店で「freedom - SPEECH remix tracks -」250円、ブーツィーズで ZOOBOMBS「Dirty Bomb」1000円。

一澤帆布で買ってきたバッグが妻の指定と違っていたらしく、怒られた。