怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

雨の中出かける。早足を心がけたら余裕で駅に到着した。
心配してたが電車では座れて、ただコーヒーのせいで眠れないまま近江八幡到着。
空模様は回復基調ながらギリギリ傘は必要な空の下、NO-MAへ。いつものてんびんロードは今回も建売の工事が進んでいて、年々しもた屋が真新しい一戸建てや駐車場などに変わってゆく。持ち主の都合からしたら当然のことだし、そもそも保存保存と騒ぐような代物でもないけれども、ささやかな目の保養なだけにしんみりした気持ちになる。
今回のNO-MAは「世界を設計する人」。コレクションからの展示だそうで、これほどのコレクションがあるとは知らなかった。どこに保管してるんだろう。古久保憲満、三橋精樹、山崎健一、吉澤健の4作家を展示しており、三橋精樹の迫力がすごい。鉛筆で塗り込められた濃密な絵とその裏に書かれたこれも魂から絞り出したような説明。アートとか芸術とかいう生易しいものではなく、それは三橋精樹の核になっているなにかに違いない。たとえそれがテレビで見た光景であっても、いやそうしたつまらなく思えるどうってことないひとこまであるからこそ、そこに滾らせた情熱が尊くなる。
吉澤健のノートは文字による日記であるとともに、最後にパッケージにされ記録としては意味をなさなくなるのが素晴らしい。読み返されることのない文字をこうして書き続けること、そして誰から教えられたわけでもないはずのコラージュを行っているのがまた驚き。この展示を300円で見られるのだから、近所の人がうらやましい。
見終わると12時を回ってるので、カネ吉まで足をのばしてコロッケ2つと牛丼コロッケ1つを買い、歩きながら食べる。おいしい。もう1つくらい買うのがよかったかも。雨が上がってたのもラッキーだった。
滋賀県立近代美術館で「時と風景ー未来をつなぐコレクション」。今回は乗り過ごすことなく文化ゾーンで降りたけど、これはこれで結構歩く。瀬田公園で降りても大差ないんじゃないだろうか。30円安いし。次回は試してみよう。
ただこの文化ゾーンの公園は広いし人も多くないし手入れは行きとどいてるしでこの季節はとても美しい。もちろんIDC川村ほどではないけれども、それでもこの美しい公園を歩くのは気持ちいい。茶室のセット350円も格安だと思うので、余裕のあるときには試したいものだ。人生は短い。
さっきローソンで買ったばかりの前売り券で入館。昔は美術館の前売り券は会期中ずっと買えたものだけど、最近はそういうのも見なくなってきたのだが、これはありがたい。
で、入ったら宮島達男のアーティストトークをまさに今現在やっているという掲示が。もちろん講堂に向かい、1時間半のうち残り1時間は聞くことができた。
宮島達男はなかなか押し出しの強い男で、正直なところ僕が好感を持つタイプではない。がアーティストなんだからそれはどうでもいい。話している内容は興味深い。最初期にはパフォーマンスをやってたとのことで、結構楽しそうに語っており、そのなかで寺山修司に強く影響されてたというのは少し驚いた。保存については、自分からは口は出さず所有者が希望すれば指定業者とやってもらうだけとの事。ただ今回展示されている「133651 Region」は20年ぶりなので劣化がほとんどなく新作同様のフレッシュさがあるとも語っていたので、口出しはしないにせよ、元の姿が続くことが隠れた願いなのかとも思った。
展示はコレクションのみで構成されているにしては充実したもので、ただせっかくだから多少は借りてきてくれと思うところもある。20年前には相当な先見の明でコレクションしていたことがうかがえる一方、近年の収蔵にそれがあるかどうかというのは疑問に思えるし。いつも通りお客さんはまばらだったけれども、なかで迷い込んできたかのような年配夫婦が「?わかるか?」「?わかんね?」「・・・孤独感を見事に表現・・・?ほんとか?」などと容赦なく見て回ってたのが面白かった。これは手ごわい。
帰りの電車では京都から大阪までほぼ爆睡。眠かったから爆睡したけど、京都から隣に座ってきたおっさんが大幅にはみ出してきたわりにはこっちを邪魔っけにしてたのは納得できない。
帰宅し妻のから揚げを食べる。おいしい。
洗いものだけして自転車で頽廃展へ。元気なつもりだったけどノロノロとしか走れなくて結構ヘロヘロだと気がついた。
gigantea roomは記憶よりもさらに狭い。久しぶりだもんな。壁にびっしりのプリント。セミプロというか写真自慢廃墟好きの素人さんが集まって展示をしたというそのままのギャラリー空間になっている。写真に関しては感性の違いとかいろいろあるからいいんだけど、せっかくやるんだから自己満足とか知り合いでわいわいといったところからもうひとつ抜けられないのかという感想。狭い展示室で固まってずっとしゃべってたら他の人見れないでしょ。お喋りが目的なんだからそれでいいということなんだろうとは思うし、作品を売るのが目的ではないのはわかるけど。