怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

父の秘密

夕方、電車の都合でやや遅れながら渋谷へ。
急ぎ足でユーロスペース。まばらな観客の中で予告編を見る。予告編は映画の楽しみの一つで、良くも悪くも興味がある。ただ、字幕で短い煽り文句を入れたりナレーションを挟んだりするものにセンスのいいものはないように思う。ほとんど配給会社で作っているんだろうとは思うが、監督自身が自作をアピールするCMとして自ら作った方が面白いものができるのでは。見に行く気をなくす予告編では意味がない。
今日見たのは「父の秘密」というメキシコ映画。メキシコというとアメリカへの移民や治安などのイメージしかなかったが、主人公はおそらく中流階級としても割と上のクラス、同級生も下層民はおらず、高級なエリアに住んでいるようだ。
映画は台詞を少なめにしているがその分過剰な演技で見せているわけでもなく、シンプルなストーリーを丁寧に描くタイプの撮り方。つまり説明するだけなら2秒でよいシーンに30秒かけているわけで、その重苦しさが観客を圧迫する。カメラワークにも細かく、例えば父親が喧嘩するシーンはちょうど車の陰に隠れて見えないところで行われる。その「見えなさ」が心理を見せるということを熟知しているのだろう。うまい。ただあまりうまいとそれはそれであざとさを感じてしまうのだが、それは僕がひねくれているせいでもある。
テーマは以前に読んだことのある「隣の家の少女」と同質で、そのじわじわとした恐ろしさはこの映画でも強く感じる。
良い映画なのだが、いささか心がダウンし夢見が悪そうなのは否めない。が、良い映画であることも間違いない。
終ったのが9時前だったので西武百貨店に寄り、7割引きの弁当と半額の総菜をゲットして帰宅。
妻はココイチに行くと言いながら行かなかったようだ。
沖縄の件、徐々に進行中。