怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

駅に停車中の電車。といっても乗り降りはほとんど終わっている。空いているドアのレールの上に立つようにして、つまり体の前半分が車外に出ている格好で立つ30歳くらいの男。奥に入れるのだが入らずに。ドアが閉まったら寄りかかれるように。車内だとあとから来た乗客に押し込まれるから、半身出していれば大丈夫だという計算。
計算は正しいが、計算してないのだね、それがみっともないということを。
手には少年マンガ週刊誌。
やれやれ。
お昼、弁当の山芋が臭う。クワガタみたいな臭いだ。
夜、妻のリクエストにより西宮のきた八へ。満席で引き返す。妻は不機嫌だったが、そんなに鰻が食べたいなら自分で事前に電話でもすればいいのに。僕もうなぎは好きだが、この鰻のまずいシーズンはむしろ避けたいところ。なぜ満席だったのだろうか。
仕方なくマルハチで弁当。わびしいが、まあそういうこともあるさ。
藤原新也「渋谷」読了。藤原新也は好きな作家であり写真家だけれども、この作品に関しては誉められない。通俗的な若者観、ありきたりの感慨。いつかどこかで聞いたようなエピソードとエピローグ。藤原新也はいつのまにこうなってしまったのか。印度漂流とは言わないが、東京漂流や乳の海の切れ味はもう望めないのだろうか。それとも、時代が藤原新也を追い越してしまっただけなのか。