怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

健在

会社をさぼって朝から映画だ。「レンブラントの夜警」。火曜日は男性サービスデーなので、客はほとんど男。でも当然リタイアしたような人が多いのだが、それでも意外に人は多かった。
映画は期待通りのグリーナウェイ節で、絵画的な構図、演劇的な撮りかたは相変わらずでうれしい。人物描写があっさりしているので人間関係の把握がしづらいのだが、グリーナウェイの場合筋を追うことよりも目で見たものの美しさに酔うことのほうが重要なので、これで問題ない。「プロスペローの本」や「コックと泥棒、その妻と愛人」ほどのカタルシスはないものの、十分楽しめた。以前浴本君と話していて、彼が「プロスペローの本」を非常に映画的な映画だと評していたことを思い出す。そのとき私は「あれは映画なのか」と言ったのを受けての評だったのだが、これはどちらも正解だろう。絵画的であり演劇的であり、その点では全く映画らしくないのだが、しかしその映画らしくない映画が非常に映画的で、絵画でも演劇でも表現し得ないものを提示していることは疑いない。
筋をあとから得心するような見かたになってしまったのが残念であったが、それでも久しぶりにグリーナウェイを堪能できてうれしかった。高かったけれどパンフレットも買ってしまった。それでも合計でちょうど正規料金だからまあいいか。