怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

私にとって美とは何か

AQUA麹にて昼食。今日も客は少ない。半信半疑で有機野菜たっぷりの丼とやらを食べる。帰りにコーヒー無料券をくれたが、根本的に問題なのは中身と値段がつりあっていないことだろう。それとも、半信半疑を払拭するか。
昼から仕事をさぼって京都国立近代美術館で麻田浩展。世界の終わりというべきか。エヴァンゲリオンの映画版でラストシーン、すべてが終わった世界、核戦争後の地球ともいうべきものが出てきたことを思い出す。荒涼とし人の気配は感じられないが複数の残像が重なり合い、あるイメージを構成する。麻田氏はそれを世界風景と称したらしいが、むしろ原風景、ユングで言うところの元型を風景の形で再構成したものと考えたい。つまりそれはリアルの風景ではなく、想像上の、どこにもない風景、つまりどこにでもある風景だ。人間は夢を見るとき同時に複数の場所に居て複数の体験をし複数の視点を持つ。それを2次元の絵画で表現したものがここにある。特に出口近くに展示されている「旅・影」「旅・褥」らの作品がある一室はすばらしい。目を向ければ引き込まれてゆく絵に囲まれる至福。自室で長く鑑賞するにふさわしいと言いたいところだが、疲れることも確かだ。これは眼の具合もあるのだろうが。
「文承根+八木正 1973-83の仕事」も、ひとつの展覧会としては物足りないが、どちらも面白いものだった。二人とも若くして亡くなったようだが、才能ある人の夭折は心が痛むとと同時に、後世に記憶されるものを残せたことをうらやましく思う。