怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

明晰さに欠ける日にこそ読書は

終日一応ごろごろ。
島本理生「生まれる森」宮沢章夫サーチエンジン・システムクラッシュ」読了。
「生まれる森」は若い作者でこそ書けるリアルなもがきをいささか陳腐な形をとってではあるがうまく表現できている。良い作家ではあると思う。少なくとも綿矢りさよりはうまい、と思う。しかしこじんまりとまとまっている分、期待とか魅力に欠けるように思える。
サーチエンジン・システムクラッシュ」は眩惑感がよい。池袋はたしか以前一、二度歩いたことがある街で、そのときの記憶はほとんどないのだが、そのもどかしく薄らいだ記憶がこの作品にある喪失感とマッチしていた。読む人を選ぶ感はありまたうまいというところもないのだが、自分にとっては魅力はあると言える。ただ、ほかの作品を読んでみようという気持ちにはならない。