怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

最後のチャンス

兵庫県立美術館ジャコメッティ展を見に行く。土日は人が多くていやになるので金曜日の夕方に神戸に用事を作ったのだ。生活の知恵?
三宮からはバスで2つ分なので徒歩で向かった。みちみち、なにやら警察と見物人が少しいる。だれか来るんだろうがいちいち聞くほどでもない。
美術館は埋立地らしき広大な敷地に商業施設などがならぶ一画にある。安藤忠雄の設計のはずだが特におかしなところはなく、普通の美術館だ。矢印にそって歩くと3階まで階段を登らされる。
ジャコメッティの作品展ながら案外彫刻作品は少なく、メモや絵画が多い。絵画も完成作品というよりはスケッチに近い描きかけの作品がほとんどだ。絵画にせよ彫刻にせよ、素人目にはほとんど判別のつかないくらい似たもので、特徴的ではあるのだがそればかり見ているとさすがに飽きる。たしかにあの細長い人物像と空洞のような瞳と笑顔の無いさまは一種哲学的であり、矢内原との親交があったあったのは頷ける。
1Fでコレクション展を見る。絵画についてはこれというものはなく、彫刻作品ではジョージ・シーガルの作品が良かった。見ている間、不思議な音がどこからともなく聞こえてくるのでこれも展示内容の一つなのだろうかと思っていたら、どうやら原田和夫の作品展示だったらしい。学芸員の人が触り方を教えてくれるので色々触ると音が出る仕掛けだ。しかし、実のところ自分で音を出すよりも誰かが奏でた音をぼんやりと聞いているほうが気持ちがいい。本田ゆかがこんな音楽をやっていたっけ。基本的には鉄の音なんだけれども、それが他の物体に少し共鳴したり、また音響効果抜群の部屋なのでなかなかいい響きが出る。これは結構拾い物かも。でも人が多すぎると多分うるさいだろうし少なすぎるとさびしい。数組が見ている(奏でている)この状況はベストかもしれない。
少し遅くなったが、王子公園まで歩き帰宅。