怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

バニーガールはいません

またしても東京出張。
仕事は予想以上に順調で、4時には終わった。
銀座までぶらぶらと歩く。前から一度行ってみたいと思っていた、バーニーズがあるからだ。
銀座というのは話には聞いたことがあるが、実際に行ってみると別にどうということもない普通の繁華街だ。思い返すと、昔一度銀座の映画館で黒澤映画をみたことがある。いわゆる名画座というやつだ。あのときはただ目的地まで行って帰っただけで、道中のことはほとんど憶えていない。実は何の映画を見たのかも憶えていない。ただ、劇中ヒロイン(たしか原節子だったように思う)が、「みなさん、拍手を!」と観客に訴えるシーンがあり、一人のお客さんが拍手をしていたことだけが頭に残っている。

さて、バーニーズはさすがに貫禄の店構えである。男前で頭の空っぽそうな兄ちゃんがドアマンの役回りだが、実際にはドアには手をかけているだけで開けっ放しである。
入ってみるとまだまだセール中、物も思っていたよりは高くは無い。とはいうものの、やはり高級には違いなく、よほど気に入らない限り手を出せないのだが。
ネイビーのジャケットでひとついいものがあったのだが、内ポケットが無い。安ければ割り切って買うのだが、バーゲンでも4万円となればそうそう妥協する金額でもなく、あきらめることにした。場所はわかったことだし、また来ればいいものもあるだろう。
ついでにSHIPS銀座店にも寄ってみるが、当然ながら品揃えは大阪と代わり映えがしない。

途中、ビルの地下になにやら見たことのあるような映画館を発見。たたずまいはあの黒澤映画館である。調べれば同じかどうかわかるのだろうが、こういうことはあいまいなほうがいいだろう。

帰路新幹線の中でポール・オースター鍵のかかった部屋」を一気に読了。設定はサリンジャーやポーリーヌ・レアージュを思わせるが、そんなことはどうでもいい。主人公ふたりの人物造形が見事。こういう作品は日本人にはなかなかかけそうにない。シリーズ名である「海外小説の誘惑」を感じる。